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時のかけら~統制陶器~

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瀬257の化粧品瓶(代用品)

 日中の戦争が激化し、英米との戦争もやむなしとなった時期においても女性用の化粧品は生産・販売されていた。昭和16年以降も少量ながらも生産販売はあった。ただ物品税は昭和16年20%のものが、同18年には120%に引き上げされている。流通しても買えないし、売る側もめったには売れない状態といえるだろう。
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 昭和17年ごろにはバニシングクリームや乳液、粉白粉などわずかな商品しか生産されていなかった。新商品もほとんど無い時代、化粧品会社にとっては苦しい時代であった。写真はそんな時代の乳液の瓶。
 ラベルにある『美用 クラブ乳液 乳状クリーム』からクラブ化粧品の品だとわかる。簡素なデザインではあるが、暗い世相を一時でも忘れさせる作用はあったのだろう。
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 高台部に瀬257の陰刻印がある。『瀬』の字のデザインが他のものと少し違うので、昭和16年ごろのものと考える。
by richouken04 | 2005-05-22 23:59 | 瀬・セ(愛知県瀬戸市)

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


by richouken04