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時のかけら~統制陶器~

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瀬740の灰皿

茶碗や皿といった日常使用する食器類はたくさん生産されたが、趣向品に当たるものは「贅沢は敵だ」の考えからなかなか見出すのは難しい。その中でも陶器製のキセルはよく見かける。戦時中でもタバコが好まれていた証拠だ。紙巻タバコも存在していたがキセルで吸う人が多かったのかもしれない。
 紹介するのはキセルではなく灰皿。こっちのほうがずっと現存数が少ない。ただ出てこないだけかもしれないが。
瀬740の灰皿_c0004987_21252436.jpg瀬740の灰皿_c0004987_21255164.jpg 
 










丸型で三方にタバコを置く所が作ってある。左側の立ち上がった部分は現在では見かけないマッチを置くところ。すぐにマッチを出せるよう半分ほど箱を押し出すようにしてある。図は両面に呉須の銅版転写でバラが描かれている。
 昭和16年にバラなどの作付けが禁止された歴史があるので、昭和16年かあるいは17年の初め、少しでも華やかさをと考えて生産したのだろう。
 石膏型での生産と思われる。高台には『愛知 瀬740』とこちらも銅版転写の染付印がある。
by richouken04 | 2005-06-12 21:28 | 瀬・セ(愛知県瀬戸市)

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


by richouken04