岐8の丸皿(ソーサー)
昭和17年を境に洋食器の生産は行われなくなります。南方(東南アジア)向けの航路が戦局の悪化で容易に輸出できなくなった事が大きな要因でした。
この手のものは白素地を造り、その後上絵付けをするものが大半でしたから白素地の上から日本的な図柄を施して丸皿として出荷したのでしょう、そのような例が多く見受けられます。
先だって紹介した金魚柄のプレート皿もその一つと思われます。
イセエビが描かれた丸皿ですが、よく見ますと真ん中がくぼんでいます。そう、これはコーヒー碗皿のソーサーにイセエビを上絵付けしているのです。
画工としては上手とはいえませんが、特徴をとらえていていい絵だと思います。
サイズは測り忘れ。高台内に『岐八』と陰刻印がある。漢数字で統制番号が付けられているのは『8』だけでこれは『末広がり』につながる事からだろう。