2006年 03月 29日
防衛食容器いろいろ・その2
とても熱いコメントでちょっと驚きましたが、戦時中の特異なやきものの一つですから熱くなるのもうなずけます。参考になれば幸いです。
防衛食容器の中身については、初期は肉類を入れていたものの、供給が足りなくなりイワシや昆布、豆などを入れたようです。戦後開封した時の物も昆布や豆だったそうです。手元にある中身入りのものも固形になったものの動く音がきこえます。
今日は残りのものを紹介します。
防8の防衛食容器です。書かれている文字は他の物と同じです。クリーム色を黒く濃くしたような色をしています。音はキンキンと鳴るのでちゃんと焼けているようです。火の当たり具合や釉薬の精製に問題があってこのような色になった可能性があります。
内部です。土の降り物が2つあります。精炻器の土のようなので東濃で生産されたものかも知れません。内部をさわると微妙に凹凸が認められますので機械ろくろ又は足踏み式ろくろにて成形しています。
高台部も他の物と同じです。やはり記号番号などはつけられていません。蓋は購入時、防3のものが伴っていました。おそらく後からとって付けたのでしょう。
これは防10の蓋。こちらは蓋のみで容器は違う番号のものでした。書かれている文字は同じです。開け方の説明文に漢字が多く使ってあります。
蓋の裏側です。中央部は凸状になっています。ごく短時間でろくろをひいたのでしょう。内側は無釉です。
防衛食容器の最大の技術はこの蓋にあります。缶詰のように食品を安全に、かつ簡単に取り出せるようにという条件をクリアするために何度も試作を造ったとあり、一番の工夫は蓋の縁にある突起と高台状のものがゴム?のパッキンとちょうどうまくかみ合うようにした点です。(三井弘三著・概説 近代陶業史より)蓋の割れた物をお持ちならば縁と高台状の物の間に突起があるのが分かると思います。
防13の防衛食容器です。かなり以前に撮影したものなので画質がちょっと悪いです。書かれている文字に変わりはありません。蓋の間にパッキンがつけられています。古い時代に密封されたことはわかるのですが中身が入っているのかどうかは不明です。重量は空の容器と同じ重さでした。
蓋です。くぼみをさし示す矢印が他と変わっています。高台部の写真は撮っていませんが、確か何も書かれていませんでした。
防15の防衛食容器。これは以前紹介しましたが、流れ的に紹介しておきます。鉄釉のゴム印で押されています。文字などは同じです。
蓋上部より。蓋の開け方の説明文が『フタヲトルニハ釘デクボミニ穴ヲアケル』とちょっと違う書き方です。
高台部は『防15』と『有115』の鉄釉印が押されています。近年に有田地区よりいくつか出てきたようですが、製造元などは不明です。
これはただ『防衛食』とのみ書かれているものです。『防』の番号や会社名などもありません。
蓋に書かれた文字などは他の物と同じです。くぼみには穴があけられています。高台部も無論、何も書かれていません。
そして、全く何も表記が無いものです。形状から判断するに『防衛食容器』でしょう。終戦間近の製造品なのでしょうか?とても興味深いものです。
蓋を取ったところ。内側も施釉してあります。上部縁は無釉です。
蓋裏と高台部です。蓋の形状も防衛食容器であることをさし示しています。
戦後、小澤専七郎氏は防衛食の名称を国民食と名称変更しています。会社の名前も平時のありふれた名前になっています。
蓋の文字は防衛食容器と同じです。
高台部には『2』の凸番号が付いています。容器の型をそのまま使用したためでしょう。
『防』記号の番号は何番まであるのか正確なところはまだ分からないようです。推測で言えば20番ぐらいまでではないかと思われます。今後も新たな番号のものなど情報がありましたらぜひコメントをお寄せください。
防衛食容器の中身については、初期は肉類を入れていたものの、供給が足りなくなりイワシや昆布、豆などを入れたようです。戦後開封した時の物も昆布や豆だったそうです。手元にある中身入りのものも固形になったものの動く音がきこえます。
今日は残りのものを紹介します。
防8の防衛食容器です。書かれている文字は他の物と同じです。クリーム色を黒く濃くしたような色をしています。音はキンキンと鳴るのでちゃんと焼けているようです。火の当たり具合や釉薬の精製に問題があってこのような色になった可能性があります。
内部です。土の降り物が2つあります。精炻器の土のようなので東濃で生産されたものかも知れません。内部をさわると微妙に凹凸が認められますので機械ろくろ又は足踏み式ろくろにて成形しています。
高台部も他の物と同じです。やはり記号番号などはつけられていません。蓋は購入時、防3のものが伴っていました。おそらく後からとって付けたのでしょう。
これは防10の蓋。こちらは蓋のみで容器は違う番号のものでした。書かれている文字は同じです。開け方の説明文に漢字が多く使ってあります。
蓋の裏側です。中央部は凸状になっています。ごく短時間でろくろをひいたのでしょう。内側は無釉です。
防衛食容器の最大の技術はこの蓋にあります。缶詰のように食品を安全に、かつ簡単に取り出せるようにという条件をクリアするために何度も試作を造ったとあり、一番の工夫は蓋の縁にある突起と高台状のものがゴム?のパッキンとちょうどうまくかみ合うようにした点です。(三井弘三著・概説 近代陶業史より)蓋の割れた物をお持ちならば縁と高台状の物の間に突起があるのが分かると思います。
防13の防衛食容器です。かなり以前に撮影したものなので画質がちょっと悪いです。書かれている文字に変わりはありません。蓋の間にパッキンがつけられています。古い時代に密封されたことはわかるのですが中身が入っているのかどうかは不明です。重量は空の容器と同じ重さでした。
蓋です。くぼみをさし示す矢印が他と変わっています。高台部の写真は撮っていませんが、確か何も書かれていませんでした。
防15の防衛食容器。これは以前紹介しましたが、流れ的に紹介しておきます。鉄釉のゴム印で押されています。文字などは同じです。
蓋上部より。蓋の開け方の説明文が『フタヲトルニハ釘デクボミニ穴ヲアケル』とちょっと違う書き方です。
高台部は『防15』と『有115』の鉄釉印が押されています。近年に有田地区よりいくつか出てきたようですが、製造元などは不明です。
これはただ『防衛食』とのみ書かれているものです。『防』の番号や会社名などもありません。
蓋に書かれた文字などは他の物と同じです。くぼみには穴があけられています。高台部も無論、何も書かれていません。
そして、全く何も表記が無いものです。形状から判断するに『防衛食容器』でしょう。終戦間近の製造品なのでしょうか?とても興味深いものです。
蓋を取ったところ。内側も施釉してあります。上部縁は無釉です。
蓋裏と高台部です。蓋の形状も防衛食容器であることをさし示しています。
戦後、小澤専七郎氏は防衛食の名称を国民食と名称変更しています。会社の名前も平時のありふれた名前になっています。
蓋の文字は防衛食容器と同じです。
高台部には『2』の凸番号が付いています。容器の型をそのまま使用したためでしょう。
『防』記号の番号は何番まであるのか正確なところはまだ分からないようです。推測で言えば20番ぐらいまでではないかと思われます。今後も新たな番号のものなど情報がありましたらぜひコメントをお寄せください。
by richouken04
| 2006-03-29 10:45
| 戦中期参考品