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時のかけら~統制陶器~

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岐24、岐26の盃

 桜は日本人の心に深く刻み込まれています。枯れ枝のような状態から花を咲かせ、散ってゆく。江戸時代に日本最古の歴史書『古事記』を研究した本居宣長(もとおり・のりなが)はこんな歌を読んでいます。
 『倉敷の 大和心を人問わば 朝日ににほふ 山桜花』

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 桜が吹墨で絵付けされた盃です。ここで盃を紹介するのは初めてですが統制陶器においても存在します。型紙を置いてクロム釉を吹き付け、おしべはゴム印でつけています。

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 側面からです。腰が丸く造られています。東濃地区では多治見市一之倉の盃が有名ですがこれは多治見市内の窯元で生産されたので形が少し違います。

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 高台内には『岐24』と凸印で統制番号がつけられています。サイズが大きいので高台自体も大きめです。サイズは直径6.2センチ、高さ3.1センチ。

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 こちらは平型の盃で骨董市で盃ばかり入ったケースなどで見ることもありますが、番号の入ったものは一時期見かけたきり見かけません。あまり造られなかったのでしょうか。
 こちらは呉須を吹き付けています。岐阜市陶磁資料館の図録『戦時中の統制したやきもの』に同じ物が掲載されています。
 高台部の写真はありませんが、高台内に『岐26』の凸印がつけてあります。サイズは測り忘れ。
by richouken04 | 2006-04-06 01:14 | 岐(岐阜県東濃地区)

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


by richouken04