有14の皿
今日はかなりの上手のものです。裏側を見て番号を確認した際は『すごい・・・』と心で叫ばずにはいられないものでした。
有田は江戸時代こそ全国に名をとどろかす存在でしたが、明治に入ると瀬戸や東濃(美濃)にその地位を奪われてしまいます。統制陶器の数では『岐』が一番多く、『有』は数少ないです。それでも時々、往年の有田焼を想わせる作があることも事実です。
型押しの技法で芙蓉(ふよう)の花を描いている。よく似た花にムクゲがあり、どちらかと思ったが葉の形状から芙蓉と判断した。とても写実的で窯元の庭先に植えられていたのではないかと考えてしまう。
絵付けは葉は呉須を使用し、他の赤絵は上絵付けしている。このように絵付けを二段階で施す例は江戸時代から見られる技法です。銅版やゴム印という絵付け法が登場した後も伝統的な技法を伝えてきた窯元があったのでしょうね。
高台中央部に『有14』と呉須印で統制番号が押されています。『有14』の番号を持つ製品は比較的多く見つかっています。推測ですが『有14』の主人は大手の窯元か、兵役を終えた年齢だったのかもしれません。
サイズは横幅(最長)15.5センチ、高さ4センチ。