岐1103の化粧品瓶
ラベルが状態良く残っていたのではっきりと読むことが出来る。「PAPILIO P. CREME」。P.の部分のデザインはまさしく陶片狂さんのブログ『陶片茶房』に掲載されていたものとほぼ同じと判断されよう。
ラベル拡大図。
『PAPILIO』のデザインは画家であり、装丁家でもある佐野繁治郎氏のものではないかと見ている。彼自身『パピリオ』のデザインを担当していることは確認しているのでほぼ間違いないと思う。
裏側は何もない。白一色。商品名ラベルだけなのは工場などで働く女性に対して配布されたから、という話を読んだことがある。
蓋はベークライトという樹脂で造られている。陶磁器や紙などもあるがベークライト製の蓋が多い。上部に『PAPILIO』。
高台部には『岐1103』と呉須印で統制番号が付けられているほか、○B、○0A0のラベルがある。ラベルが何を示しているかは不明。
『岐』の字体が一般的な産地記号の『岐』と違うため比較的初期段階での製造ではないかと考えられる。サイズは直径4.5センチ、高さ(蓋込み)6センチ。
補足として本容器は磁器ではなく、硬質陶器あるいは磁器と呼ばれるもので、柔らかな白色で、全体に貫入が入っている。化粧品瓶は数あるものの、このような手の物はこれ一つきりです。
また、成形はろくろではなく鋳込みを行っている。写真ではわからないので掲載していないが、前後を付けた際に調整した跡が残っている。
先日の四天王寺の市でちょっと参考品を購入してきましたので紹介します。
黒ガラスで造られた化粧品瓶です。ラベルには「GELMMY g VANISHING CREAM」とあります。注目は「g」ですね。明らかに意識していると思われるものです。
裏側には価格表示と製造元が書かれたラベルがついています。マル公1円45銭で売られていたこと、エンゼル商会(大阪)が製造したことなどがわかる。
サイズは直径4.5センチ、高さ5.7センチ。サイズもよく似ています。