時のかけら~統制陶器~

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岐691の化粧品瓶

 もう一つ、これも有名な詩人が関係した商品を紹介しましょう。戦前期から戦中期はさまざまな有名人が意外と知られていないだけで商品開発に携わっているということがわかるかと思います。

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 ラベルには「モンココ洗顔クリーム」と印刷されています。蓋はベークライト。ごく一般的なこの時代の化粧品瓶です。ラベルを貼り付けてある部分もサイズが同じですのでこの商品のために造られたものでしょう。

 どこが有名人?

 この商品は佐野繁治郎氏の「パピリオ」デザインとは違い、そのネーミングにあります。この商品はモンココ本舗という今は無き会社(戦後まで存続)で製造されました。この会社名変わっているでしょう?
 由来は作家・永井荷風の『ふらんす物語』の娼婦の名前から来ています。その名前を会社名に推したのが詩人・金子光晴なんです。

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 これは付属していた箱。ぼろぼろで朽ち果てようとしていますが、どこか気の抜けた、アンニュイさが漂っている気がします。これでも戦時中のものなんですよ。
 ちなみに「モンココ洗顔クリーム」は昭和15年(1940)発売されています。

 写真には撮っていませんが、確かマル公価格がついていたと思います。また、瓶の底には『岐691』と凹印が付けられています。化粧品瓶サイズは測り忘れ。2004年夏ごろの収蔵品はサイズを測っていませんでした・・・。
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Commented by 陶片狂 at 2006-05-27 06:49 x
昭和15年!宝塚歌劇の雑誌にまで戦車の話だの、兵隊さんへの慰問だの、戦時色が強まった年に発売された化粧品なんですね。そういえば、精一杯お洒落にデザインしながら、年月のせいもあるかもしれないけれど、色にツヤがなくて、戦時中の絵葉書と似た雰囲気もありますね。
Commented by mimi_daikon at 2006-05-27 07:40 x
この箱の字、昔の洋画やTVドラマの字幕タイトルに雰囲気が似ていませんか。そう意識して描かれたのかな。絵も素敵!見ていると物語の中に吸い込まれそうです。
Commented by richouken04 at 2006-05-28 18:16
街角には『贅沢は敵だ!』なんてスローガンがあったりした時期の発売を考えると「よく発売したな」とおもいます。緊張感と不安、そこから逃げたい気持ちなどが入り混じっているのでしょう。
mimi_daikonさん、昔の洋画やTVドラマの字幕はこちらを意識的に真似ているんですよ。たまにいい加減なものもありますが。
Commented by mimi_daikon at 2006-05-29 12:00 x
そうだったんですか、逆なんですね、知りませんでした。いい加減なのも見てみたいですね。
by richouken04 | 2006-05-27 01:10 | 岐(岐阜県東濃地区) | Comments(4)

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


by richouken04