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時のかけら~統制陶器~

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戸滑り

 今の住宅では引き戸が以前より少なくなった気がする。大きな部屋では引き戸もあるが、小さく区切られた部屋では入り口はドアに推移している。

 戸滑りはこの引き戸の下部に備え付けられたもので、常時目に付くものではない。むしろ、こんなものが付いてるの?ぐらいの感覚が予想される。戸滑りをじっくりと眺めたことがある方のほうが少ないと思う。

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 引き戸に備え付けられている状態の図がこれ。もちろん、使用時は本体が木をくりぬいた中に仕舞いこまれているので見ることは出来ない。

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 これは実際に使用されていたものなので、中央部の釉薬が擦れてなくなってしまっている。

 火事や時代の波に打ち勝ちながら身を削り続けた戸滑りに拍手!また、傷を付けずに取り出した骨董屋さんもたいしたものだ。


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 窯元で焼成するときはこういう格好だった。まるで輸送船のようですね。サイズは幅4.5センチ、高さ1.9センチ。

 もうひとつ紹介します。

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 こちらは白磁のもの。ほとんどの部分が隠れてしまうものなので、どんな色でも関係無いように思いますが、そんなところに気を使うのはやはり製造者が日本人だからでしょうか。

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 これも中央部が擦れているので実際に使用されていたものです。(写真では見にくいですが)

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 こちらには底?部分に『○二特許願』の凹印が見えます。『○二』という屋号の窯業者が特許(あるいは実用新案などか)をとろうとしていたのでしょう。他の業者が真似しないよう注意喚起したものです。
 サイズは幅5.2センチ、高さ1.5センチ。

 明日は戸車を紹介しようと思います。

 
by richouken04 | 2006-09-21 16:34 | 戦中期参考品

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


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