時のかけら~統制陶器~

tokinokake.exblog.jp
ブログトップ

万116の急須

 茶道具・最終回。今日は統制番号のついたものを紹介します。茶道具の中でも今日は煎茶に関する道具です。

c0004987_16185173.jpg

 無釉焼締めの茶色い土の急須です。この土の色が元来万古焼で使用された土で白い土は瀬戸から供給された土でした。
 胴部・蓋はロクロを使用していると思います。取っ手などには細かい細工がたくさん施してあります。

c0004987_16195244.jpg
c0004987_1621328.jpg

 この急須の一番の特徴は『数印』です。江戸時代後期の瀬戸や万古の茶道具に見られるもので作者名を示すさまざまな印を押し付けて文様としたものです。書体や印の形式などいろいろなものを取り合わせています。
 ここでは『萬古』『不易萬古』『陽桐軒 萬古●●』と印が読めます。

c0004987_16229100.jpg

 蓋のつまみはくるくると回ります。これも万古焼の特徴の一つです。細い取っ手は透かし彫りされ、吊るされた輪もくっついていません。よくぞ折れずに残ったものだと思いました。

c0004987_16234051.jpg

 注ぎ口と取っ手の間には『萬古』と『日本 来山』の凹印が付いています。万古焼の陶磁器史の本には大正~昭和の初めに活躍した個人作家の名が記されているが、『来山』の銘については掲載されておらず詳細は不明です。

c0004987_16244438.jpg

 底の部分も丁寧な仕事をしています。一般的にはつるんとした底に仕上げるところを微妙な凹凸を出しています。これだけの仕事をして販売値は他の産地のものと同じとなれば製品が出て来ない訳も理解できるというものです。
 中央部に『万116』の凹印が押されています。サイズは測り忘れ。
[PR]
by richouken04 | 2007-01-12 16:25 | 万(三重県四日市市)

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


by richouken04