岐867の薬容器
現在でも円柱の白色ガラス製の塗り薬はたくさんある。ここでは薬の容器を紹介します。
透明性のある黄色釉(おそらく焼成時のイタズラで本来は薄い青磁になるはずだったのだろう)に銅版転写で『センシン本部』の名前と住所・電話番号等が付けられている。
化粧品瓶と違ってラベルではなく、生産者・商品名を焼き付けているのは容器の再利用を考えてのことだったのではないだろうかと思う。
蓋には『外用巴布剤 玉盛 shinsen(筆記体表記) シンセン』と商品名が書かれている。敵国語である英語表記がされているが、戦争突入後すぐにすべての英単語使用が禁止されたわけではないので統制陶器としては最初期のものであろう。
高台部の写真を撮っていないが、高台内に『岐867』とクロム釉印が付けられている。サイズは直径6.3センチ、高さ6.8センチ。