有12の皿
笹の葉を中心とした変形皿です。統制陶器の皿はほとんど円形で変形となると『品(愛知県瀬戸市)』で見られるものの他の産地ではあまり見かけないものだった。
最近は有田の製品で四方形や変形製品が出現するようになった。目につかなかっただけなのだろうか。
笹の葉の陽刻と隅を埋めるように文様が付けられている。上絵付けは古伊万里を想起させるような唐草文様と幾何学文。このような変形皿も大小さまざまな形のものが生産されていた。古い伝統の文様を復活させることで往時の勢いを取り戻そうとしたのではないだろうか。
高台は丸く付けられている。江戸期の伊万里焼だと変形の高台を持つものもある。さすがに近代以降は顔料の他、素地についてもより強い物へと研究がなされたことだろう。変形だから高台も変形ということはなさそうだ。
写真では確認できないが、高台内に『有12』の凹印が付けられている。有田の製品はそのほとんどが凹印か呉須印でその他の番号印は防衛食の鉄印が確認されているだけです。
サイズは横長さ13.8センチ、高さ2.8センチ。