緑二重線入り食器2つ
いつごろまで製造されたかについては岐1065の会社に問い合わせたときは昭和30年ごろまでとの回答を得たのだが最近、今でも製造しているとの話を伺った。
で、今日紹介するのは戦後の製造品の2点。1つは陶片狂さんが骨董市で購入され、ブログ『陶片茶房』で紹介された皿。もう1つは昭和30年代と思われる形状の茶碗です。
すでにブログでご存知の方も多いでしょう。緑二重線入り皿の中央に吹墨風で餅つきウサギの図が入れられた小皿です。
図としては面白い・・・いわゆる図変わり・・・のですが『違和感』がありました。ウサギです、特に左のウサギが中空を見ているところ。下手な絵付けが多い明治以降においても配置のバランスはちゃんと取っているからです。これならばウサギはどちらか片方にしたほうがよかったでしょう。
高台部分は石膏型を使用していると思いますが丁寧に調整されています。釉薬もつるんとしており(戦前もつるんとしているが)全体的な判断からすると戦後、それも最近のもののようです。サイズは直径10.2センチ、高さ2.2センチ。
今回取り上げたのはこれを糾弾するためではなく、あくまでも今でも製造されていること、新しいものを古いものと称する業者も出てくるかも知れぬこと、戦時中の緑二重線入り食器との違いを知ってもらいたいためですので誤解なさらないで下さい。
もう1つは骨董市で入手したものです。
こちらは緑二重線入り茶碗です。戦前、戦中の緑二重線入り食器とはかなり形状が違うことは一目瞭然です。
今の茶碗もそうですが、茶碗類は高台から口縁に向かって丸く穏やかなカーブを持っています。しかしこれは高台から口縁までストレートに、鋭くなっています。このような茶碗は昭和30年以降の流行ではないかと思います。
高台部は丁寧に高く造られています。高く造っている点も特徴でしょうね。ここらのものだとまだ自宅に、実家の食器棚にあるという方もおられることでしょう。
サイズは直径11.7センチ、高さ5.9センチ。