肥28の軍隊食器?と有18の軍隊食器?
側面には大きな星章。ちょっとゆがみが確認できるのはそれだけ材料や焼成時間が確保できなかったことのあらわれとも考えられる。当然のことながら釉下につけられたものです。口淵は折り返している点からも軍隊向けに造られた食器と思われます。
内部には達筆で春蘭(あるいはカキツバタ・菖蒲など)が見事に描かれている。単調になりがちであるが呉須(青)の濃淡を利用して防いでいる。これは染付。釉薬が黄色く変色しているのは焼成時の温度が関係しているのだろう。
高台内には『肥28』の呉須印がつけてあります。サイズは直径(だ円なので平均的な部分で測定)12.4センチ、高さ6.3センチ。
もうひとつ九州、有田地区のものを紹介します。
こちらはきれいな白磁です。側面には素地から出た鉄茶色い点になっています、がこの時代のものとしてはよい素地といえます。星章はつけられていません。
内部には陽刻で富士山が細かく彫り込まれています。唯一一点ものとは違い、石膏型で型押ししたようです。それでもとてもよくできています。内部中央部には星章の陽刻がついています。
高台内に『有18』の凹印があるのですが、白地に凹ですのでどうしても撮影できませんでした。サイズは直径12.2センチ、高さ6.3センチ。