時のかけら~統制陶器~

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カテゴリ:許( 10 )

許27277の小皿

 骨董ジャンボリーで購入したものです。ジャンボリーでは小品を中心に何点か拾えましたが、次日の骨董市巡りでその内容もかすんでしまいましたが…

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 ひょうたんから駒を図案化したものです。『忠勇』と書かれているため目についたのですが、ことわざの意味を改めて考えてみると『あれ?』と首をかしげてしまいました。

 『ひょうたんから駒』…①意外な所から意外な物が出ること。ふざけて言ったことが実現することのたとえ ②とうていありえないことのたとえ

 ひょうたんから出て来ているのは姿格好からして騎兵とみても差し支えないのではなかろうか。
 これが見立て通りの騎兵として、前者の意味合いから図案を考えたものとすれば『忠勇』ひょうたんから大きな力が出現するという意味合いなのだろう。
 しかし、後者に意味合いをとった場合には『忠勇』ひょうたんからこんなものが出る訳が無いとなってしまう。この図案を作った図案家に反戦の心が宿っていたのだろうかとうがってしまう。
 もちろんどちらも私の推測にすぎないがいかがだろうか。

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 高台には一部剥がれもあるが『許27277』の赤絵印が付けられている。統制番号とともにこの番号の付いたものを『許のやきもの・許27222の皿』で紹介しているが、こちらには『許』のみです。
 『許』記号についてはまだ謎な部分が多く、はっきりした目的もわかりません。今後の調査が待たれます。
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by richouken04 | 2012-08-19 23:39 | | Comments(0)

許27372の小皿

 5月は久しぶりに『子供用の食器・玩具』を多く取り上げようと思います。子供茶碗やお食い初め用の皿、さまざまな玩具(統制品)・・・。どうぞご覧ください。

 今日はまず小皿を紹介します。

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 桃太郎とそのお供を描いた子供用の小皿です。桃太郎だけを取り上げた子供用茶碗はあるのですが、お供の犬、猿、キジが描かれるものはいまのところこれだけです。

 戦利品のサンゴを前にして意気揚々とする桃太郎でしょうかね。この図柄の面白いところはキジが爆撃機?のような翼を持っている点です。犬と猿が桃太郎と同じ古くからの軍装であるのにキジだけが近代以降の軍装です。

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 高台内には『許27372』の赤絵印が押されています。産地を示す統制番号は入っていませんが造りからすると東濃(岐阜県)の生産品ではないかと思われます。
 サイズは直径8.7センチ、高さ1.7センチ。
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by richouken04 | 2007-05-07 00:30 | | Comments(8)

許27321/九谷の盃

 有名な窯業産地で比較的目にする『九谷焼』、徳利や盃にその銘は見るのだが統制番号を伴うものといえばまだ見たことが無い。ある書には昭和17年に窯元合同で一つの会社となったとの記述も見られるのであるいは番号は無いのかもしれない。あるいは目にしていないだけなのか。
 例外といえるのは『許●●●●●』の番号を伴うものだけである。

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 大黒様を図案とした盃。高く掲げた打ち出の小槌には金が使用されている。昭和14年ごろに金の使用が禁止されているはずだが、実際には金を使用したものが少なからず見られる。在庫として残っていたものを使用したのか、特別な配慮のもと使用されたものかはわからないが使用禁止後もヤミで金液の取引が行われていたことは当時の関係者の話から分かっている。

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 側面はゴム印で松竹梅をあらわす文様が付けられる。形状は湯呑を極小にしたような筒型。この形状のものには『九谷』のゴム印銘がつけられていることが多い。東濃(美濃)のものは逆三角形の形状が多いので産地特定の鍵であろうか。
 ただ、これも少なからず疑問の残るもの(九谷銘ではあるが逆三角形、絵柄が東濃のものと同じなど)も存在するので一概にすべてが九谷製と見ることは出来ない。

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 高台内には『許27321 九谷』と赤絵印が押されている。九谷の銘もいろいろな字体があるがこれは一般的な字で書かれている。
 サイズは直径5.1センチ、高さ2.9センチ
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by richouken04 | 2007-03-11 12:51 | | Comments(0)
 こどもの日なのでそれに関係したものを紹介しましょう。とは言え、統制時代の器物ですから、戦争に直結してしまいますね。この時代はそれが当たり前だったので仕方が無いかもしれません。

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 軍服(陸軍か)を着た男の子とセーラー服(海軍か)を着た女の子がそれぞれ敬礼している様子を描いています。その他にも国旗や桜が描かれ、『忠君愛國』と文字が入っています。
 子供向けのものとしては今までの物と比べちょっと異質な感じもあるのですが、すべてゴム印での絵付けですので当時のものでしょう。

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 横から見ると縁が反り返っているのがわかります。白磁の撮影はピントが合いにくいのでぶれてしまいました。 

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 高台部には画像でははっきりとしませんが『許27201』と赤絵印が押してあります。サイズは直径8.3センチ、高さ2.6センチ。

 上記の物の他に一緒に同じ絵柄のものも入手しましたので紹介します。

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 柄は上記の小皿とほぼ一緒。桜が2つになったのと旭日旗が増えたことが違う点でしょうか。これもすべてゴム印で絵付けされています。ただ、高台内には『国防茶碗』とあります。
 子供茶碗の蓋だけで、本体はありません。本体にも同じ絵柄があるのでしょう。

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 蓋を横から。結構平たい蓋です。

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 裏側は真っ白です。サイズは直径8.4センチ、高さ2.4センチ。

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 これは湯呑で絵柄や技法は全く同じです。3点ともですが、頭にかぶっている鉄帽(ヘルメット)、帽子は金彩です。かなり豪華な製品です。

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 高台部にはやはり『国防茶碗』とあります。『許』印のあるものと無いもの、同じ図柄で存在するのは資料的には面白い物です。また金彩を使用している点からも製造時期が絞られると思います。個人的には昭和14年作と考えています。
 サイズは直径5.9センチ、高さ5.1センチ。
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by richouken04 | 2006-05-05 15:56 | | Comments(0)
 今日は『許』の番号がうたれた皿を4種類紹介します。いずれも上絵付けをなされた小皿のたぐいで統制番号はついていません。花種は梅です。梅をめぐる絵付けのさまざまを紹介します。

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 まずは松竹梅と鶴を描いた図です。黒の顔料の発色が思わしくないため少し薄い印象です。ここでは梅が大きく描かれています。鶴の体よりも大きく描かれた梅の花。松や竹も隅に追いやられているような感じがします。
 縁にはかすれていますが『玉堂 岐?(サイン)』とあります。これは日本画家『川合玉堂』の作品から写されたものというより川合玉堂といういわばブランドを取り入れたと考えるほうが自然ではないかと思います。

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 高台内には『許27207』と赤絵印(上絵付け)が押されています。サイズは直径11.2センチ、高さ2.4センチ。

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 次のものは2つの窓の裏側に梅の木が追いやられています。2つの窓にはそれぞれ若松と竹、波千鳥が描かれています。松竹梅と波千鳥の組み合わせにどのような意味がこめられていたのかは知りませんがとても面白い図だと思います。

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 高台には『許27215』の赤絵印がつけられています。高台内側には石膏型から外す際に残された縦の筋があります。また、高台畳付には赤い顔料が残っています。これは2度目の焼成時に重ねて焼いたためです。サイズは測り忘れ。

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 次は梅と松と折鶴という一風変わった皿です。図変わりとしての評価もできるような気もしますが、売主はいたって安価で売ってくれました。
 梅は紅梅でしょうか、ピンクの顔料を使用してとてもかわいらしい図です。子供の誕生などを祝うために使われたのでしょうか。

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 高台内には『許27221』と赤絵印がつけてあります。この皿の高台は上部2品と比べきちんと成形してあります。またマル許の印もマルにギザギザが見られるものです。サイズは測り忘れ。

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 最後は梅にウグイスの図でこれも春を想起させる図案です。皿を四弁の花で区切ったようにして画面を引き締めています。こちらは白梅でしょう。

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 高台内には『許27222』と赤絵印がつけられています。こちらも高台の成形は滑らかで丁寧です。これにもところどころ顔料の付着が見られます。サイズは直径11.2センチ、高さ2.3センチ。

 これら『許』の番号印は統制番号と共に存在する物があることから昭和14年の価格統制の開始以降の品と考えています。なぜ5桁なのか、上絵付けの物のみにあるのはなぜなのか、などいろいろと謎に満ちた製品です。
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by richouken04 | 2006-04-14 23:53 | 許(価格改正品) | Comments(9)
 明けましておめでとうございます。皆様よいお正月をお過ごしになられましたか?まだまだ勉強不足な点はありますが、今年もよろしくお願いします。
 新年一回目となりますので、今日はおめでたい図柄を扱ったものを紹介いたします。

 おめでたい図柄の物はずっと古くから絵画や工芸品(漆器や陶磁器)、衣類などにたくさんの意匠がある。統制陶器には以前紹介もした、「恵比寿天・大黒天」や「鶴・日の出・富士山」「松竹梅」が見られる。
 今日はそのうちの「大黒天」、「松に鶴」の図柄の物を紹介します。

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 打ち出の小槌を持った大黒天が描かれた盃です。周囲に小判を配置して金運アップをイメージさせています。
 絵付けは大黒天の輪郭を銅版で衣類などを筆、周囲の小判をゴム印でつけているようです。注目すべきは小槌に使用されている金彩です。戦時下では金の使用は輸出向け製品以外は禁止されていましたが、これには使用されています。
 
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 外面にはゴム印による赤い顔料で松竹梅が付けられています。焦げてしまったのか少し赤黒くなっています。形は腰部が湯呑みのようにどっしりしています。これは産地による個性といえます。

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 高台部には赤い顔料で『許27321 九谷』と読める番号印があります。九谷焼は石川県で生産された焼き物です。岐阜県東濃地区と同じように広い地域で生産されていましたが、統制番号を伴う製品は発見されていません。サイズは直径5.1センチ、高さ2.9センチ。
 
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 こちらは老松に鶴が2羽とまっている図柄で、おめでたい物です。こちらは銅版ではなくゴム印で輪郭を、筆で色絵顔料を付けています。周囲は黒の帯に金彩を施しています。金彩は金を液状にしたものを焼き付けたもので職人の腕により金の使用量が違ってくるので金彩のあるものは貴重なものといえます。

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 高台部には『許27327』と読める赤番号印があります。こちらは一般的に見られる盃のタイプです。産地名はありませんが、素地は東濃地区(岐阜県)ではと考えています。サイズは直径5.5センチ、高さ3センチです。

 最後は変形皿です。大正~昭和の初め頃にたくさん生産されたひし形の皿です。赤絵や金彩を多用した豪華な絵柄の物が見られますが、統制陶器では1点のみ、『許』番号のものもこれ1点のみです。

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 ゴム印で鶴と松の輪郭をつけ、松の幹、松葉と鶴の羽の黒と絵柄の枠となる輪線を筆でつけています。上絵付けは低火度(約800度程度)で焼付けするので使用している間に擦れてしまうことが多々あります。これは擦れが少ない製品です。

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 裏面を見ると四方に簡略化された文様が付けられています。山と海に浮かぶ帆船でしょうか。
なます皿や鉢など縁が立ち上がる食器類に付けられているのを見かけます。
 上下2つの石膏型に磁土(粘土)を入れ成形しています。そのため高台部(畳付)は取り出した後に内側を調整しています。

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 赤番号印は『許27246』と付けられています。『許』番号付き製品はすべて上絵付けがなされています。この番号印の目的は私は価格が一時的に変更された品と考えていますが、特別に材料の配布を受け製造された品や皇室・政府・軍・商社などの特注品とみる意見もあり、まだはっきりしたことはわかっていません。サイズは横幅17.3センチ、縦幅13.6センチ、高さ2.4センチ。
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by richouken04 | 2006-01-04 14:44 | | Comments(2)

許27279のプレート皿

 昭和16年以前の輸出用のスープ皿には前回のような裏印をつけるようにしていた。しかし、その他の洋食器については裏印があったのかどうかわからない。
 国内向けには何も無いのだが、昭和14年9月の物価統制令による例外としての○許印の入っている物が知られる。今日はその一例を紹介する。

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 この時代のものとしては比較的大きなサイズといえる物だが、洋食器としての大きさは今と変わりないくらいの大きさであろう。サイズは直径23センチ、高さ2.2センチ。

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 文様は金色に輝くラスター彩で輪つなぎの文様を吹きつけ、刷毛先でイチゴの果実、ゴム印で赤い種と緑のじくをつけている。皿の縁は擦れて薄くなったところもあるが青い釉薬で口紅をしている。

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 裏側を見ると透明釉が焦げたのか変色した部分が見える。高台内には赤い釉薬絵の具で『許27279』の』印が付いている。石膏型から抜いた際できる高台内部の筋は確認できないが石膏型での鋳込み成形と思われる。







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 もう一枚紹介するがこちらは文様が同じで皿の縁の口紅とサイズが違っている。

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 文様は同じだが、皿の縁の口紅が赤紫になっているのがわかる。

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 裏側は何もないように見えるが『許●●●●●』があったのではないかと思わせる跡が残っている。こちらのサイズは焼き上がりの差も考えられる、直径24センチ、高さ2.1センチ。こちらも石膏型による鋳込み成形であろう。
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by richouken04 | 2005-09-30 00:40 | | Comments(0)

許35651のベビープレート

東洋陶器株式会社は大正6年に九州小倉にノリタケから独立して設立した。現在のTOTO。
最近では衛生陶器がもっぱらだが古くは食器類も造っていた。
 紹介するベビープレートもそのひとつで、裏に『TOYO TOKI』、『KOKURA JAPAN』、『意匠登録28530』、『許35651』と印がある。意匠登録番号があることから、公定価格が制定された昭和14年9月以降の作であろう。
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 絵柄を見るととてもかわいらしい絵柄で、戦争の足音を忘れさせる。3ヵ所にそれぞれかわいらしい動物を配しているが、なぜか左上側だけ、だるまが描かれているのが不思議に思う。
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 熊のぬいぐるみはテディ・ベアだろうか。1904年の米大統領選挙には名前のもととなったルーズベルト大統領が熊のバッチをつけて選挙に挑んでいる。そういった感覚も進んで取り入れていたといえよう。
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 絵付けは銅版あるいは石版よる転写だろうか。とても出来がよい。さすがにノリタケの流れを組む会社だと感心する。
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by richouken04 | 2005-06-11 23:48 | | Comments(2)

許27223の鉢

昭和14年9月に『物価統制令』が公布され、公定価格での生活が始まった。先月、『公定価格表』という当時の冊子を手に入れたが、とても細かく分類されており、単純に物価上昇を抑えるためのものというよりも国民生活をも管理していこうといった思惑がうかがえる。
 しかし、公定価格にも例外がある。政府機関の原価調査を受けてその商品は値上げ可能との評価を受けるか、適正とされる公定価格を判定、公示してもらいその範囲で値上げをする方法である。
 陶磁器には赤色の上絵付けが大半を占めるが、丸に許、数字を5桁の番号印が時折見られる。統制番号と共にあるものもあるので昭和16年以降も少なからず値上げがあったのだろう。
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 紹介するものは中皿。竹と椿、ひし形の幾何学文で皿を6面に分けている。図はすべてゴム印でつけられている。番号の無い製品も多い。
 これは珍しく皿中央部に許27226と黒色の番号がある。直径24センチ、高さ4センチ。
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by richouken04 | 2005-05-19 18:09 | | Comments(0)

許27223の鉢

許27223の赤色印を持つ鉢です。許の印を持つものはほとんどが赤色印です。まれに黒色印もあります。確認しているものは27000番台のものばかりです。
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これも美濃製の鉢でしょう。だるま大師が描かれその周りはラスター彩風でつくられています。他の製品も一手間かかったきらびやかな感じのあるものが多く見受けられます。
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by richouken04 | 2004-12-22 21:34 | | Comments(0)

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


by richouken04