時のかけら~統制陶器~

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カテゴリ:その他産地( 91 )

 ご無沙汰してしまいました。もう少しだけお付き合いください。

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 風景文様のポットです。洋食器の中でもなかなか巡り会わないもののひとつといえます。
 ゴム印と筆で美しく描いています。九州系のやきものには呉須の挿し込み方に特長があり、これにもそれがみてとれます。

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 反対面

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側面

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蓋の裏に『波16』の呉須印があります。

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 蓋内に番号が付けられていますので底には何も付けられていません。




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by richouken04 | 2015-12-17 00:56 | その他産地 | Comments(0)

目跡のある器・砥部

 目跡のある器の2回目です。砥部がなぜ『目跡』をつけるというある種、前時代的とも受け取れる焼成方法を取り入れたのかはわかりませんが、個人的には着実に全国制覇に邁進する東海地方の窯業生産者への対抗策だったと考えています。

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 『帝国』・『万歳』の文字が躍るいかにもという碗です。背景はすべて『桜花』のようです。

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 内部には細い筋が見えます。轆轤で回した際に付いたものでしょう。やはり大量生産の為に道具を使用した証です。
 また、目跡が付いているので重ね焼きをしていたのでしょう。

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 高台部分は先の皿と同じように縮れが見られます。こうした高台は戦前の砥部焼の特徴とみてよいかと考えています。





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by richouken04 | 2015-08-09 22:10 | その他産地 | Comments(10)

品12の小鉢

 青磁の小鉢。品野地区(現在・瀬戸市内)の製品です。茶陶ともいえそうな鉢や小鉢の類が多いです。

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 口縁は輪花で、青が付けられています。高台脇にはしのぎというべきか彫が見られます。

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 内部には釉下彩でエビが描かれています。こちらは伊勢海老でしょうか、川エビでしょうかね。

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 高台内に『品12』の凹印があります。


 ・・・・・

 内部のエビ文様ですが地域でいろいろです。

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 瀬439と品12の小鉢のエビ。

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 万146の蓋物のエビ。

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 有14の皿のエビ。

 それぞれに面白い。エビは長寿の縁起物として伊万里(志田窯)でも焼かれましたがこの時代では雰囲気が全く違いますね。
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by richouken04 | 2015-05-18 16:29 | その他産地 | Comments(2)

名30のポット

 まだ開花中だから時期遅れってこともないと思うのです。でも、世の中『桜・桜・桜』ですよね。

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 椿の花(個人的にはヤブツバキかと?)が上絵付けされたポットです。

 戦時下のポットは洋食器類の中では比較的数が多いものです。それでも5つくらいでしょうか。これは形状が角々の戦争前のデザインが面白いです。

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 素地に黒い貫入が走っていますので不合格品としてはねられたものが再利用され流通したということです。こういった例はいくつか存在しています。物資不足から必要とされたのでしょう。

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 底部分に『名30』の赤絵印が付けられています。
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by richouken04 | 2015-03-28 23:45 | その他産地 | Comments(2)
 お待たせしました。 

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 「出雲大社」のおみやげ盃、どちらがどちらなのでしょうか。

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 正解は左が統制番号付きの盃です。裏を見てみないとわかりませんね。たまたま手に取って見たら番号がついていたので腰が抜けるほどびっくりしました(気持ちだけ)

 ・・・・・

 島根県の窯業組合は『出雲陶器工業組合』という組合に属していました。昭和16年5月現在で22の業者が登録されていたようです。これはそのうちの一つで布志名焼ではないかと思います。

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 『出雲大社』とある。お土産物として造られたものだろう。手書きでさっと描いた雰囲気がこの時代を全く感じない。岐阜県などではゴム印が中心であるのに・・・。

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 俵型の側面は簡略化されています。でもそれと分かるつくりにはなっています。

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 高台は輪状ではなく、点で造られている。こういうつくりは線香立て以外では見られない。『出12』の黒呉須印がある。漢数字の場合は作家名である可能性もあるがアラビア数字の場合は統制番号とみて間違いないだろう。

 もう一つは昭和15年秋以前と思われる盃です。

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 こちらも『出雲大社』の名前がある。絵柄やタッチはほぼ同じとみてもいい。たくさん造られたものだろう。骨董市で盃ばかりが入ったかごなどに見た記憶がある。

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 俵型の側面は画像では分かりずらいですが左と比べ細かくできています。違いは他に器壁が薄いことでしょうか。

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 高台が作られており、打ち出の小づちの形状になっています。こういう遊びができるのも戦前だからでしょうかね。銘などはありません。『出12』との関連はどうでしょうね~こういった物はどこでも造ったことでしょうから。
 
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by richouken04 | 2015-01-08 17:05 | その他産地 | Comments(2)

島根のやきもの・盃

 統制陶器とそれ以前と思われるものって結構あるんですよね。これもそんなひとつです。

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 『出雲大社』の文字と大黒様の絵柄。お土産物と思います。

 どっちがどっちかはまた次回。
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by richouken04 | 2015-01-05 22:45 | その他産地 | Comments(2)

ト13の茶碗・2つ

 お待たせしました。先月の東寺ガラクタ市(京都)で入手したものです。この日の表エムブイピィです。

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 茶碗は2つありました。焼け具合の違いで2種類のように見えます。『福寿』の文字だけの文様は朝鮮半島でよく見かけた文様ですが、日本国内では見たことないような気がします。

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 内部を見て驚きました!昭和10年代に釉薬剥ぎの焼成方法をしていたからです。これについては陶片狂さんの『陶片窟日記』の『砥部焼』タグにいろいろ書かれておられるうちの一つに該当するものと考えます。

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 高台には『ト13』の呉須印が付けられています。砥部の統制番号に潰えはまだはっきりしたことがわからないとのことですが、今までの感覚で言えばこれは砥部の統制番号と考えます。

 ……

 個別に見てみます。

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 ①こちらの茶碗は青みがかった焼き上がりをしてます。ところどころクリーム色の発色した部分もあります。茶陶ではこういうところを見所としますが、一般的には焼きムラととらえられることでしょう。

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 ②こちらは釉薬に貫入(ヒビ)が入るもので焼きが甘かったのかなと思います。クリーム色の発色が温かい感じをうけます。

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 こちらは①の内部です。

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 ②の内部。それぞれの焼き加減で違いがわかります。

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 ①の高台。『ト13』の呉須印が付けられています。

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 ②の高台。『ト13』の呉須印があります。


 『国立国会図書館デジタル化資料』の『愛媛の商品. 昭和12年版 愛媛県貿易協会 編』の『砥部焼』の項で昭和11年現在とおもわれる窯元数が記されており、この頃14の窯元があったという。『ト13』が砥部の統制番号であれば数字的には一致します。

 たった14軒の窯元で世界を目指した砥部焼には脱帽です。

 そして残っていてくれてありがとう!
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by richouken04 | 2013-08-02 15:03 | その他産地 | Comments(5)

品13の灰皿

 まずは鎌倉で入手のものを…

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 青磁に釉下彩されたもので紅梅を描いているようです。

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 この時代のものにはかなりの確率でマッチ立てが付属しますね。

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 中央部に小さめの『品13』の凹印が付けられています。

 ……

 鎌倉のあるお店にほこりをかぶって置かれてました。

 まだまだ眠っているんだろうなぁ。
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by richouken04 | 2013-06-08 00:44 | その他産地 | Comments(2)

RCの国民食器(丼)

 国民食器の丼シリーズ。繋ぎですが…

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 蓋が無いのは前回と一緒です。本当はあったのだろうと思います。使用するうちに破損したり、離れ離れになったまま、売りに出されてしまったのでしょう。

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 高台内には『☆枠にRC』のクロム印があります。日本陶器(ノリタケ)製です。ノリタケの裏印は何種類かを同時進行で使用されていてこれも戦前なのか、戦後なのかはっきりしません。

 前回のものと比べても造りが上手であることがわかると思います。
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by richouken04 | 2013-03-07 10:15 | その他産地 | Comments(0)

信楽の地雷片・その5

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 最後に番号を伴う破片をみていきます。3つありますが、真ん中の一つは傷なのか、印の押しが薄いのか、わかりません。ここでは2種類の番号印が確認できました。『信8』と『信78』です。参考としている本にも何種類かの番号が確認されていて、多くの窯元で陶製兵器が造られていたことがうかがえます。

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 『信8』の破片。1枚目写真は番号のある側が下部と思われます。2枚目は上部側から見ました。3枚目は下部から上部、内部から見た感じです。4枚目は内部の様子です。内部は接合部と思われる部分が丁寧に仕上げられている様子がうかがえますね。

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 『信78』の破片。上部から下部にかけての側面までしか残っていません。2枚目は上部から見たところ。3,4枚目は内部の様子です。接合部を『信8』と比べると少し雑かな?という印象ですが、先日のものと比べると丁寧な仕上げですね。

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 番号印が薄いのか、傷の破片。他と比べて素焼きに近い感じの釉薬です。側面から下部にかけて残っています。2枚目は下部の写真。3枚目は内部で、釉薬の垂れた様子がくっきりと残っていました。他のものは均一な釉薬でしたがこれだけ違っていましたね。



 『信楽の地雷片』はこれで終わりです。
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by richouken04 | 2013-01-26 21:15 | その他産地 | Comments(3)

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


by richouken04