時のかけら~統制陶器~

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カテゴリ:戦前参考品( 78 )

印判皿2種

 印判皿といわれるものにも産地や特長が色々あります。
 型紙摺り絵印判や銅版転写印判が一般的で、明治時代に各地で生産されました。
 
 面白いことに型紙摺り絵印判は瀬戸では焼かれていません。これは生産遺跡である窯跡からの出土例が無いことからわかります。
 美濃の窯跡からは出土していますので明治時代の生産の多くが美濃で生産されたものであるといえますね。

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 写真の印判皿は型紙摺り絵印判と銅版転写印判で最近入手したものです。
 どちらにも表面に目跡とよばれる窯道具を使用した跡が残ります。この目跡のある印判はとにかく数が少ないものです。

 この目跡のある製品はどこで焼かれたものでしょう。
 目跡のある製品を焼いていた産地としては愛媛県の砥部焼と福島県の長沼焼があります。もちろん他の窯業地でも造られたと考えられますが。

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 銅版転写印判皿の裏側です。

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 こちらは型紙摺り絵印判皿の裏側です。

 どちらも高台中央部に出っ張りがあり、口縁部近くには轆轤の跡が見られます。高台も窯道具とくっついて欠けた部分があります。

 素地の白さから砥部焼ではないかと考えています。





 
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by richouken04 | 2016-04-21 21:53 | 戦前参考品 | Comments(1)
 統制番号や裏印の無い洋食器は戦前か戦後かの判断が難しいです。ここで紹介している製品もどちらの時代区分をすべきか迷う場合もありますが、昭和初期~中期として扱っています。 

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 バラの絵付けの大きいマグカップです。戦前にこのようなカップが造られていたことに驚きました。こうしたものはここ20~30年の間に一般的になったのではないかと思います。

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 『贈 藤田先生 昭和十一年初夏 吟月』と書かれています。今は素人でも絵付けができますが当時は難しいと思われます。『吟月』氏がもとになる手本を、それを絵付け職人が書いたものと思います。

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 底部分には銘などはありません。





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by richouken04 | 2015-11-04 10:07 | 戦前参考品 | Comments(0)
 前回の和食器を洋食器化したとする文様をご紹介しましたが、似た文様が洋食器にもあります。(もちろん本家・元祖の文様がありますがそちらはまだ収蔵していなかったようです)

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 全体に黄土色の絵の具を吹き付けた上にさらに六陵鏡枠の窓絵を焼き付けています。
 こちらはどちらかというと洋食器の和風化といえるのではないでしょうか。このような動きは昭和初期からはじまります。

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 カップ
 口縁の文様は前回の湯呑と似ています。丸窓ではないものの文様も似た感じです。それにしても文様に『コウモリ』とは現在の感覚からしたらあり得ないかもしれないですね。
 コウモリの漢字表記、蝙蝠の蝠が福と同じ発音であることからコウモリは幸福の象徴となりました。しかし、西洋文化の流入、特に吸血鬼の仲間とするイメージの定着ですっかり悪者扱いです。

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 底部分には『硬質磁器 MIKADO CHINA』の赤絵印が付けられています。調べてみると古谷駒平なる人物がミカド商店を立ち上げていた。この会社はノリタケの森村市左衛門と関係があったとか。詳細は不明ですが関連があるのかもしれません。

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 ソーサーもカップと同じです。配置は均等ですが3つとも同じでないところが日本的ですね。

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 高台部分にはカップと同じ『硬質磁器 MIKADO CHINA』の赤絵印が付けられています。





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by richouken04 | 2015-11-03 10:07 | 戦前参考品 | Comments(0)
 今の日本の状況を考える上で参考になるのではないか、と思い入手してみました。

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 『徴兵制六十周年に當り 徴兵制の沿革を偲び其の将来に及ぶ』 昭和七年十一月 陸軍省

 題字にあるように徴兵制の成り立ちが書かれていて、徴兵制がどのように導入されていったかを考える上で重要な資料かもしれません。

 これを読んでみて、今の状況を考えてみると社会状況が相当に、激変というか天地がひっくり返るというかそういった出来事が起こらない限りあり得ないのではないのかと考えてしまいます。
 ただ、国際状況がどうなってゆくかはだれも予想できないことですので戦争が起こった場合、本当に徴兵制が制定されないとも限りません。

 この冊子の一節には次のような文書があります。

 『国家は其の国民の挙げて防護すべきものである。必任義務兵役制度は、最も能く此の趣旨に適合している。
 凡そ国家は其の存立維持の為必ず護国の方法を講じ、其の安寧を図らねばならぬ。此の護国のことたる、国民の挙って之に任ずべきもので、決して一部国民の私すべきものではない。即ち必任義務兵制度がこの法理に合するのであって、我国憲法に明らかに之を規定せられている所以である。即ち兵役は国民の最大にして崇高なる義務であるが、更に国民は自ら進んで服する一の権利であると主張したいのである。
 さればこの兵役は何人と雖(いえども)代人を許さず、また金銭等を以て代償することも出来ぬ。また六年以上の刑に處せられた者は、之に服することが出来ぬと云う、最も神聖なものである。』(旧かな使いで読みずらい部分は読みやすくしました、段落は原文のままです)

 読むと納得できるような気もしますが、兵役のみが国に対する一番神聖な義務・権利ではないはず
 
 国を護る方法だっていろいろとあるはず!世界各国の文化を学び・理解しようとすることもその一つだと考えます。

 戦争はダメです!

 たとえ自分たちが戦勝国になるとしても。

 幸せな国にはなりません。


 
 
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by richouken04 | 2015-08-14 14:14 | 戦前参考品 | Comments(0)
 今年は戦争が終結して70年の節目。未来と過去を同一視するのはちょっと違うと考えていますが、来たるべき未来のことを真剣に考えてゆくことはよいことだと思ます。しかし、未来を考えるには『感情』に身を任すだけではなく過去を『冷静』に見ないといけないではないでしょうか。

 ・・・・・

 今日は皇紀2600年の年号入りの盃を紹介します。

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 『皇紀二千六百年 満洲建設勤労奉仕記念 祝 富山隊』の文字がある盃です。見込には日本と満州国の国旗が描かれます。『富山隊』とあることから富山県で組織された方々が無事帰還したことを祝って配布したものなのでしょう。

 満洲建設勤労奉仕隊についてはあまり研究がされていないということや戦中戦後の混乱から資料の散逸などもあるかと思いますがはっきりとしたことがわかっていないというのが現状のようです。2-3か月の現地奉仕作業ののち帰国したようです。

 興亜学生勤労報国隊満洲建設勤労奉仕隊農業学校隊報告書(国立国会図書館デジタルコレクションより)

 「満州建設勤労奉仕隊」に関する基礎的考察 白取道博(北海道大學教育學部紀要 2000-03)

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 側面は『赤・白・青』の輪線がぐるりとまわしてあります。満州国国旗の色を使用したようです。岐阜の盃と比べると立ち上がり深く造られています。

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 高台内には『九谷』の赤絵銘が付けられています。『九谷』銘はゴム印のものと手書きのものがあります。産地でつけ方が違っていた可能性がありますがこちらもはっきりしたところはわかりません。
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by richouken04 | 2015-08-10 19:11 | 戦前参考品 | Comments(4)

目跡のある皿・砥部

 目跡のある食器をちょこっと紹介していきます。これらは陶片狂さんからの情報や〇にトの番号の統制陶器とみられる製品から『砥部』の製品と考えられます。

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 どちらも銅版転写の皿です。岡山と岐阜の方から譲っていただきました。どちらにも5個の目跡が見られます。明治時代と考えますが右は大正時代に入るかもしれません。

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 高台部分で他の地域との『差』がよくわかります。

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 千鳥っぽくない感じもしますが海岸を描いているので千鳥文皿でしょう。皿全面を文様で埋めるデザインは明治の初めのころから流行したスタイルです。
 高台は美濃・瀬戸のものと比べると雑な削り出しで画像ではわかりずらいですが中央部分に土の縮れがあります。

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 こちらは花かご文皿と呼んでよいでしょう。余白が多く取られるスタイルは明治後半から大正時代にかけて流行します。これもその頃の製造と思われます。高台部分は残念ながらガリガリのガサガサです。この皿は何枚かあったのですが文様の刷りのよさを優先した結果です。高台内の様子は上記と同じように見えます。

 次は摺り絵の製品を紹介します。


#皿 #印判 #砥部

 
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by richouken04 | 2015-07-24 08:48 | 戦前参考品 | Comments(4)

『子ツスルミルク』の盃

 解説編です。漣さんの『子』の呼び方、『ね』に気付けば謎が解けますね。

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 とりあえず、『子ツスルミルク』で検索したのですがヒットなし。『マッスルミルク』とか出てきます(汗)これではらちがあきませんので別の角度から検索です。

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 反対面には缶の文様が付けられています。どちらかというとこの缶の文様が珍しいのではないでしょうか。私は見たことがありません。

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 拡大してみます。『NESTLE`S co●d nsed SWISS MILK』(以下略) これならすぐピーンと来る方もおられるでしょう。そうです、『ネスレ』なんですよ!びっくりしました。

 ネスレのホームページ、『ネスレの歩み』の年表から考えると1913年、横浜に日本支店を開設して以降の頒布品だった可能性がありますね。(確認してませんが) 上絵付け銅版転写という技法からも時期が一致します。

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 内部の文様は『子ツスル(ミルク)』と親鳥と小鳥、これもネスレの商品に見られるあの図柄です。多少の変更はありますがほぼ同じです。口縁の傷が残念ですが。
 
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 高台から見ると全体像がよくわかります。製造はおそらく岐阜県多治見市市之倉地区ではないかと思います。

 文様は上絵付け銅版転写ですので海岸・川では白磁になってしまう可能性が高いです。触ると盛り上がっています。
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by richouken04 | 2015-05-27 10:12 | 戦前参考品 | Comments(4)

『子ツスルミルク』の盃

 これを見つけた時は『なんだこりゃ?』と思った。また、図変わり印判の一つだと思い購入。調べてみるとかなりレアなもののようです。

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 『子ツスルミルク 子ツスルスミルクで 小児を 養えば

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 小供は何時も 健全なり


 子ツスルミルクって何? なんなのさ! 知ってるって人はコメント非公開がいいかな~


 ・・・つづく
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by richouken04 | 2015-05-26 10:32 | 戦前参考品 | Comments(2)

犬山焼の子供茶碗

 犬山祭から一週間、その後の雨で桜も散りました。このお祭り中に開催された骨董市には犬山焼もいくつか売られていましたが今回紹介するものは今まで見たことがありませんでした。これは犬山で手に入れたものではありませんが・・・犬山焼です。

  犬山焼は江戸時代後期からの開窯で明治初期までは犬山城主・成瀬家の庇護を受けつつ、今も続いています。昭和16年ごろには犬山焼の組合が作られており、12の窯元が登録されていたようです。

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 犬山焼では紅葉に桜などどちらかというと風流・優雅な絵付けが多いのですが、これにはウサギが描かれています。もちろん手描きです。

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 蓋から見ると『ウサギとカメ』を題材とした絵柄だとわかります。『モシモシ カメヨ カメサンヨ』は石原和三郎の作詞で明治34年に『教科適用 幼年唱歌 (二編上巻)』、今でいう音楽の教科書に掲載されるという形で発表されました。
 注目すべきは亀です。金彩を使用しているのです。金彩用金液が日本で量産できるようになるのは大正後期から昭和初期です。そこから考えるとこの時期の生産だろうかと思うけれどどうだろうか。

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 内側は絵柄はありません。貫入が美しいです。犬山焼もいろいろあるけれど個人的には透明釉のものがいいな。

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 高台には『犬山』の凹印が付いています。『犬山』の裏印は様々な形状の枠で囲まれています。これは逆さになった桃なのかなぁ?と考えたりします。
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by richouken04 | 2015-04-16 22:07 | 戦前参考品 | Comments(0)
 銅版転写皿。

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 『日本・アメリカ・イギリス・フランス又はベルギー又はルーマニア(青一色のため不明)・タイ・中華民国・イタリア・スイスじゃなくてギリシャ(スイスは加わっていない)』の国旗がぐるりとある。
 象のいる国旗がどこだか不明だったので調べると、この頃のタイの国旗でした。

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 高台を見てみると石膏型を使用している痕跡が見てとれる。古い銅版皿では高台内部を削っている。
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by richouken04 | 2014-12-20 14:38 | 戦前参考品 | Comments(2)

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


by richouken04