時のかけら~統制陶器~

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カテゴリ:有(佐賀県有田町)( 31 )

有50の四方皿

 先日の透かし彫り鉢を入手する前にこちらを入手していたんです。
 それで、ネットオークションを検索したところヒットして…びっくりですよ。

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 隅切りの四方形の皿です。ひょうたんを図案化したものでゴム印で下絵付けした後、色釉を手絵付けしているようです。有田の上手と考えられる製品では比較的多い技法です。

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 高台内には『有50 年木庵江上製』の呉須印がついています。こちらはちょっと薄いです。銘がついている製品は上手のものが多いように感じます。



 
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by richouken04 | 2013-01-03 16:36 | 有(佐賀県有田町) | Comments(0)

有50の透かし彫り鉢

 新年あけましておめでとうございます。

 今年もよろしくお願いします。

 …………

 新年最初の更新はおめでたいものを図案としたものを紹介します。

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 去年はいろいろとありましたが、これはかなり心躍った製品の一つでした。今までに見たことの無い製品でしたのでびっくりこいたのです。
 普通の製品でないことは一目見てわかりますが、透かし彫りまで施した製品が当時つくられていたことに衝撃を受けました。有田の力強さというものを見せつけられましたね。

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 色絵で鳳凰を描いています。よくあるゴム印を用いた簡単な絵付けではなく、一部ゴム印の可能性はあるけれども色釉は一つ一つ手による絵付けになっています。触ってみると盛り上がっているのがわかります。

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 高台部分には『有50 年木庵江上製』の呉須印が付けられています。有田の『近現代肥前陶磁銘款集』には『有50』が『江上製』であることは掲載されていますが、『年木庵江上製』という銘では掲載がありませんでした。
 ただ、『年木庵』という銘が『深川製磁』との関連があることから両者に何らかの関連があるのではないかと思います。
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by richouken04 | 2013-01-02 18:59 | 有(佐賀県有田町) | Comments(3)

有15の変形皿

 夕方に大手スーパーに行ったところ、モモやブドウ、ミカンに交じって柿が売られていました。

 すっかり秋なんだなぁと思いましたね。

 なので、柿の文様を…。

 有田焼には柿を文様(デザイン)化した製品が多数みられます。これは有田焼特有の現象というか、他の窯では見られません(今現在のところ)。文様(意匠)の保護はこの当時もありましたので、他の産地で使用しないようにさせていたのかもしれませんね。

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 木瓜(もっこう)形と呼ばれる器形の皿です。流通が整備されて鮮魚が都市部にも出回り始めたことで刺身などが食べられるようになったことに由来しているとも聞いたことがあります。
 型押しされた柿葉に呉須をさし、実には上絵で紅色を付けています。

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 高台内には薄くて見えずらいですが『有15』の呉須印が付けられています。『近現代肥前陶磁銘款集』には掲載されていませんので窯元がどこかは不明です。
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by richouken04 | 2012-09-29 23:51 | 有(佐賀県有田町) | Comments(0)
 総集編は各地の逸品を紹介してゆきます。今回は九州の名窯、有田窯です。この時期でも色絵・染付け・型押しと名品がたくさんあります。

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有5の皿は色絵が美しい皿です。牡丹に蝶のおめでたい文様です。すべてが手描きというわけではありませんが大半が手によるもので丁寧に絵付けされています。雰囲気としては柿右衛門を意識しているともいえます。高台内には『有5 富右衛門』の呉須印があります。

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有11の鉢は変形の鉢で有田では比較的見ることができます。これは大きめの鉢なので珍しいかもしれません。型押し成型のなかではレベルの高いものと考えています。富士山と神社(富士山本宮浅間大社か?)の文様に青磁を用いることで静寂さ・清潔さをあらわしていると思われます。高台内に『有11』の呉須印があります。

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有14の変形皿は木瓜(もっこう)形と呼ばれる形状の皿です。お刺身など盛ったのでしょうか。色絵を施したものと色絵を施さない素地のままのタイプが存在しています。同じむくげの花文様でもかなり雰囲気が違うことがわかりますね。高台内に『有14』の呉須印がついています。

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有25の平鉢は伝統的な氷裂(ひょうれつ・氷のヒビ)文様を前面に施しています。銅版転写で付けたのではないかと思いますがゴム印でつけたものかもしれません。ふちを内側に丸く折り曲げるタイプの平鉢は有田地区のみに見られるタイプです。寿司など盛ったものと推測されます。高台内に『有25』の呉須印があります。

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有34の皿は3分の1を丸く、その他は雪輪の形に成型しています。雪輪の文様は伊万里焼にも見られるもので、古くからの文様です。染付と色絵(赤)を併用していますが、染付けは手描きでとても美しいものです。柿の文様は有田地域独特の文様といってよいのではないでしょうか。高台内には『有34 ●山』の呉須印と『有山』の赤絵印が付けられています。

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有72の鉢もまた名品です。これだけのものが戦時下に造られたこと自体が不思議になるくらいです。横に大きく広がる鉢で、煮物を盛り付けるのにはもってこいです(もったいないほどですが・・・)梅と牡丹の縁起のよい吉祥文様を用いています。高台内には『有72』の呉須印があります。

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有76の火鉢は陸軍の『久留米第二士官学校』で使用されたといわれるものです。染付で陸軍を示す星章を描き、『久二士校』の文字を書いています。そうすると第一士官学校の分もあったのか?とも思ってしまいます。有田地区では火鉢も多く生産されています。染付のものが多いのですが色絵のものもあります。ふちと底近くの文様は有田地区に見られる文様で底近く部は向かい合う二匹の龍をとうてつ文様風にデザインしています。底近くに『有76』の呉須印があります。

 有田地区は伊万里焼からの伝統を引き継いでいるため優雅で美しい製品が見られます。もちろんそうではない製品も多くあります。戦時下といっても開戦直後と絶対防衛圏を破られた後ではまったく違ってくると思われます。
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by richouken04 | 2009-10-19 16:33 | 有(佐賀県有田町) | Comments(1)

有5の皿

 これも色絵の名品で、庶民が手にできるようなものではなかったと思われるものです。お金持ちや御用達の料亭・旅館などごく一部の人々が目にできた事でしょう。

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 一部を変形させる有田の皿です。変形の食器は有田と品野(現・瀬戸市)地域において生産されていますが他の地域ではほとんど見ることができません。これはサイズが大きいものです。
 染付けは無く、色絵で牡丹と蝶々を描きます。どちらも吉祥の文様として陶磁器に取り入れられています。繊細な筆使いは江戸期の鍋島焼を彷彿とさせます。

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 この皿は複数出てきたのですが、その内の一枚には『有5』の呉須印とともに『富右衛門』の銘がつけられていました。他の皿は『有5』の呉須印がついてるのみです。有田地域では少数ながら窯元や作家の銘と統制番号が存在する例があり、どんな製品を生産していたか判断するのに役立っています。
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by richouken04 | 2009-05-17 15:02 | 有(佐賀県有田町) | Comments(2)

有6の湯呑

 有田の製品は色絵・染付ともに華やかで江戸時代の古伊万里焼きの伝統を受け継いだものが見られます。この時代は大都市でモボ・モガのデザインが流行しますが、一方では伝統を受け継いでいこうとする力もこの頃出てきます。

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 それぞれポーズの違う唐子を色絵で描く小型の湯呑です。現代の湯呑とは違って煎茶用のV字型の湯呑です。

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 高台内には『有6』の呉須印がつけられています。
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by richouken04 | 2009-05-15 22:02 | 有(佐賀県有田町) | Comments(4)

有12の豆鉢(小鉢)

 伝統的な文様を主に採用している有田のやきもの。それだけにモダンな文様・形状を持つものは珍しい。これはかわいらしい一品です。

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 八角形の豆鉢。外部は無釉あるいは薄く鉄釉をかけた上に青磁を散らしている。江戸時代にも少ないながらもこういうデザインがあったと記憶しているが、どうだったかな・・・

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 高台内に『有12』の凹印がついています。この窯元の製品も多いですね。小鉢類ばかりですのでこれを主に生産していたのでしょう。
 サイズは直径7.1センチ。
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by richouken04 | 2008-10-24 23:54 | 有(佐賀県有田町) | Comments(4)

有25の浅鉢

 毎日猛暑(酷暑)が続いておりますので涼しげな一品を・・・

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 氷裂文様と呼ばれる文様の浅鉢です。

 氷裂文様は読んで字のごとく氷が割れている状態を文様化したもので、江戸時代の古伊万里(有田焼)に見られます。江戸時代の人たちも暑い夏を乗り切るのに感覚的に涼しくなるようにと名付けられたのかもしれません。

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 側面にもちゃんと文様があります。手を抜かないよい仕事です。

 氷裂文様はゴム印で付けられているように思われますが繰り返しの絵付けではないので銅版(平版)の絵付けかもしれません。有田の他の製品と比べての場合、若干格が落ちる()製品ではないかと思います。

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 高台内に『有25』の呉須印が付けられています。サイズは直径18.5センチ。

 まだまだ暑い日が続きます。皆さん、体調を崩されませんように。
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by richouken04 | 2008-07-30 19:08 | 有(佐賀県有田町) | Comments(6)

有6の盃

 週末に興味深いサイトを見つけましたのでここに紹介します。

 こちら→『星期六的愉快研究

 中国で見つけられたという陶製番号のついたやきものを紹介されてます。朝鮮半島向けに造られた製品があるのであれば当然中国(支那)向け製品があって当然です。形状も中国向けにして造られた事をうかがわせるものです。

 ・・・・・

 で、同じ中国向けでもこちらは駐留していた日本人向けに造られたであろう酒器『盃』です。

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 『晴天白日旗』と日本の旗が交差した絵付けに『坦湯汽路建設記念』の文字。『汽』は中国読みで自動車を示すので、自動車道の建設だろうか?建設完成を記念して関係者に配られたものと考えている。日本でも盃に『●●完成記念』など記念品として配られたものが見られる。

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 横から見ると東濃(岐阜)製品とは違い高台から鋭角に上っていく。有田の盃はこれ一点なのでなんともいえないが産地により形状の違いはあるようだ。

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 高台内には『有6』の呉須印が見られる。直径5.4センチ。

 この盃の存在から統制陶器が海外にも存在するのではという推測が始まりました。今では確実に出荷(輸出)されていたと言えます。
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by richouken04 | 2008-03-12 18:17 | 有(佐賀県有田町) | Comments(0)
 しつこいですが、もう少し軍隊向けの食器類を紹介します。海軍のものも存在するのですが、陸軍と比べてぐっと少ないですので後ほど紹介します。
 今日は有田の産のものです。

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 形状は肥前地区で生産されたものと同じです。地域により若干の差異が認められるのではないかと思いますがすべての地区で比較したわけではないですのでよくわかりません。

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 高台部には『有12』の凹印がついています。高台のつくりなどは有田の面影が感じられませんね。サイズは直径14.2センチ、高さ6.2センチ。

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 これはどちらかというと星章が陽刻(エンボス)でつけられています。このような作例も存在しています。形状は他のものとほぼ同じです。

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 見えにくいですが高台内に楕円に囲まれた『有18』の凹印がつけられています。非常に小さいので見落としてしまいそうです。これはまだはっきりと判読できるものです。
 サイズは直径12.3センチ、高さ6.3センチ。

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 こちらもつくりはかなり悪いです。土にはしわが入り込んでいますし、発色も灰色がかっています。その分いかにも戦時中の材料や人手が足りず、こんなものしか焼かれませんでしたと説明がついていそうなものです。
 軍隊向けなのでこれはさすがに納入されなかったものでしょう。
 高台部の写真を撮っていませんが、高台内に『有71』の凹印がついています。サイズは測り忘れ。
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by richouken04 | 2007-08-13 23:34 | 有(佐賀県有田町) | Comments(5)

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


by richouken04