時のかけら~統制陶器~

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カテゴリ:戦中期参考品( 139 )

海軍用の食器・2点

 陸軍用食器の次は海軍で使用されたと思われる食器をご紹介します。
 海軍は陸軍と違って陶磁器製の食器はあまり多く存在していません。一説では軍艦内で使用しようする場合、落下して破損、怪我をするというリスクを避けたためとも言われています。

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 錨に桜章がつけられた軍隊用食器です。これとほぼ同じ星章の付いた陸軍用の食器はたくさん見るのですが錨に桜章の付いた食器は見かけません。口縁は割れ欠けを防ぐため厚くつくられています。

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 高台内には『肥28』のクロム印が付けられています。『肥28』は佐賀県嬉野市塩田町にある『志田陶磁器株式会社』に割り振られた番号です。今も工場(現・志田焼の里博物館)が残されていて、内部に残された道具類にこの番号を見ることができます。

 ※志田焼の里資料館HP

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 こちらは海軍で使用されたとも言われる、富士山の絵柄の入った食器です。つくりは軍隊用食器にみられる厚い口縁です。富士山は吹き墨の技法でつけられていると思いますが一部彩色もあるかもしれない。『岐』で見られる富士山と比べるとかなりリアルです。
 反対側にも雲海が描かれていて適当にデザインされたわけではなさそうです。

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 高台内には薄いのですが『名陶』の呉須印が付けられています。『名陶』銘の軍用食器は星章がほとんどでこのような絵柄付きは初めてです。

 
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by richouken04 | 2015-08-13 21:51 | 戦中期参考品

陸軍用の食器・2点

 今日明日と最近入手の軍用食器?をご紹介しておきます。

 今日は陸軍の『星章』が付けられた食器です。

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 星章が付けられた汁入れまたは湯呑と思われる食器です。同じような形状は『名陶』銘の食器揃いにも存在することから同じ規格で製造されたのでしょう。

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 底部分にあるはずの生産者を示す記号などは見られませんでした。軍用食器は1938(昭和13)年に日本陶磁器工業連合会が『代用品』として指定していることからこの時期以降で生産者の記号をつけるような指令が出るまでの間に製造されたものなのかもしれないです。

 ※<代用品>としてのやきもの(2001年、瀬戸市歴史民俗資料館)の図録にも軍用食器が掲載されていて、21点中5点は無印のようです。

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 こちらも星章を付けた皿(食器)です。これも他の食器類と同様の形状をしているので規格による製造なのでしょう。上記の星章と比べると呉須の発色がきれいです。

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 底部分には『四角枠に青』の呉須印が付けられています。この銘から有田の青木兄弟社が製造した製品と考えられます。釉薬が若干青みがおびていて、瀬戸美濃の製品とは違います。
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by richouken04 | 2015-08-12 21:26 | 戦中期参考品

卒業記念の鉢

 以前にリクエストをいただきましたのでご紹介してみます。

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 外側に緑色の釉薬を掛ける、または吹き付けて乾ききらないうちに葉の文様を掻き落としています。葉の文様は学校の校章からヒントを得ています。掻き落としの技法は宋時代の定窯や耀州窯で流行したやり方で古陶磁の技法や文様が広く紹介されることで取り入れられていったのでしょう。

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 内部には校章が銅版転写でつけられています。今もこの校章は使用されています。瑞浪陶磁資料館(当時)で開催された『戦時下の陶磁器代用品』展の図録には陶磁器製校章が出品されていたことがわかりました(図版15)。

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 高台内には『皇紀二五九九年 岐阜縣恵那中學校 第十三●(回?・面に近い字)卒業記念』とあります。皇紀2599年は昭和14年であることから昭和13年末から昭和14年初頭にかけての製造かと思われます。

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 中央部には『●山』と凹印が付けられていますが判読ができませんでした。どなたか御存知の方がおられましたら是非御教授いただきたいです。


 #鉢 #記念品 #凹印
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by richouken04 | 2015-07-21 01:20 | 戦中期参考品

戦中期のお盆・その2

 戦中期のお盆のその2でございます。

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 直径20センチほどと思われるお盆です。戦時標語がデザインされたお盆です。戦時下というとこのようなものが多く存在しているかのようなイメージを持っていました(統制陶器を集めるずっと前です)が少ない物ですね。

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 文様のアップです。『天業翼賛』、もう一つは『堅忍持久』ではないかと思います。『天業翼賛』についてはネット上で調べたところでは『天子・天皇の国を治める事業』を『力を合わせ助ける』という意味のようです(三省堂 大辞林 、辞典・百科事典の検索サービス - Weblio辞書 )。精神的な意味合いが多くあるかと思います。

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 裏面には前回紹介した『日本漆器組合聯合會』の証紙が張られていたと思われる二か所の四角があります。残っていなかったのはちょっと残念です。
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by richouken04 | 2014-08-13 01:14 | 戦中期参考品

戦中期のお盆・その1

 お盆という言葉からと言ってしまっては失礼千万かもしれないけれど、戦中期のお盆を2つご紹介します。

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 直径30センチほどのお盆。お盆というと木地で漆を塗ったものと思いがちですが昭和初期に人工うるしが開発されたことにより安上がりな漆器製品が製造されます。これは木地ではなく、紙地だろうと考えます。

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 柿の絵柄は戦時下のやきものでは有田を中心に多用された文様です。そのまま食べてよし、乾燥させれば保存食としても活用できるため各地で栽培されたのでしょう。

 うちにも植えられてました。

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 裏面には証紙が2種類貼られたままでした。

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 『日本漆器組合聯合會』の『合格証紙2級』と『模様証紙 3(級?)』です。日本陶磁器工業聯合會では製品ごとに統制番号と呼ばれる登録番号を付けるよう規定しているが漆器ではこれは見られない。
 格付け等級も当時の高級品に対して付与されているが、この製品に『2級』を付与している点も同じ戦時下といえどもかなり違いがあると思われる。


 その2へ続く
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by richouken04 | 2014-08-12 01:00 | 戦中期参考品

文鎮・その4 軍旗祭

 今日のものは大須観音骨董市で購入したもの。これもいろいろなものが入れられた箱の中から見つけました。ソフビ人形やこけしなどと一緒に入っていたような記憶がある。

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 箱に入った状態。紙箱の蓋はもともと失われていました。そこはちょっと残念ですが、考えようによっては蓋があって中身がわかっていたらすぐに別人の手に渡っていたかもしれませんね。
 箱のクッション材は木を薄く削ったものです。

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 鏡を写した形状に龍をあしらうデザインは比較的見かけるデザインかと思います。ぼんやりしているのは撮影がうまくいかなかったのともともとの釉調の両方に起因しています。

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 横から見ると今までのものと比べるとちょっと薄めです。

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 裏面には『紀元二千六百一年 軍旗祭 中部第三十七部隊』の刻印がついています。

 『紀元二千六百一年』が昭和16年であることはすでにご存じの方も多いでしょう。でも、不思議に思ったのです。『紀元・・・』とある場合と『皇紀・・・』とある場合が存在する。この場合はこちら、これはこちらと使い方に一定の基準があったのだろうか?ご教授いただきたいところです。

 『軍旗祭』は地域住人との交流ができる文化祭のようなものであったようです。この行事の名前にもある軍旗は各国に今でも存在するものでこの時代においては陸軍の象徴として知られていた。軍旗は天皇陛下から部隊に直接親授されるものでとても神聖なものとして戦場においても命懸けで守った歴史がある。

 『中部第三十七部隊』については当初、中部とあるので中部地方のことかと思ったのですが(ここが素人)京都伏見区に拠点を持った部隊だったのですね。ネット上では詳しい情報が無かったのでなんとも記述のしようがありません(軍の編成や呼び名などの知識が無いだけです)。


 この文鎮はこのような背景から京焼ではないかと考えますが作者名などありませんので不明です。

 

 
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by richouken04 | 2014-06-22 11:47 | 戦中期参考品
 これはかなり前ですが京都のガラクタ市で見つけたものです。雑多に詰められた箱をごそごそと見ていたところにありました。こういうところが骨董市に魅力でもありますね。

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 前回の『第二回体育大会記念』と似ているギリシャ系の男性裸体像がデザインされています。そして『京二商 三十周年記念』と文字が付けられています。

 『京二商』は京都市立第二商業学校のことらしい。明治43(1912)年に創立されたとのことで三十年記念ということは昭和17(1942)年とわかる。人物像の下に『2600』らしい数字と『om』のイニシャルが見える。昭和15年にデザインされ、昭和17年に合わせ製造されたものだろう。

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 厚さはこんな具合。ずっしり来ます。

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 裏は前回同様、統制番号はありません。ですが、製造元とみられる『正文』銘の凹印が付けられています。
この銘からすると京焼の作家、藤平正文氏の窯で生産されたのではないかと思いますがはっきりとしたことをお尋ねしたこともありませんのでわかりません。

 あ、そこまで調べないのが私なんです。

 蒐集が仕事です。
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by richouken04 | 2014-06-15 20:56 | 戦中期参考品
 時間があるときじゃないと更新できないので。その2です。

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 写真自体がピンボケのように見えますが、そうでもありません。もともとこんな感じです。青銅で造られるところを青銅風に作り上げているのです。

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 拡大したところ。ピンボケではないことがわかるでしょうかね?文字はぼんやりしていますがなんとか読むことができます。そして年号らしき数字も見えます。

 『2601』の数字は年号であれば昭和16年ということになります。

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 下半分のところ。文字は『島津製作所』と読めそうですがどうでしょうか。一定規模の会社だからこそこのようなものが作れたでしょうし、『体育大会』も開催できたことでしょう。

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 裏側には統制番号も銘もありません。つくりからして瀬戸で造られたものではないかと考えます。

 昭和16年ならばついていなければいかんではないかとも言われるかもしれませんが、これはごく一部の方々、関係者のみに配布されたであろうというものですのでついていなくても大丈夫なんです。

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 先日の文鎮との比較。

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 厚さの比較。
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by richouken04 | 2014-06-13 13:31 | 戦中期参考品
 盃の中でも軍事的なものは比較的人気がありますね。確かこのような盃ばかりを取り上げた本も出版されていたと思います。

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 最近、ここ半年くらいかでいろいろ時間も違いますが同じ『支那事変記念』の盃が集まりました。

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 側面から見てみるとそれぞれ個性的だなぁ。

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 高台内もいろいろです。番号付きや番号無しなどちょっとずつ時代が違っています。
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by richouken04 | 2014-04-23 23:53 | 戦中期参考品
 ついに入手しましたっ!!

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 『定款及統制規程』 日本陶磁器工業聯合會

 統制陶器の謎が一気に瓦解する思いです。






 
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by richouken04 | 2014-02-28 10:37 | 戦中期参考品

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


by richouken04