時のかけら~統制陶器~

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味の素食卓容器

 味の素食卓容器の登場です。硝子好きの方々にとってはマイナーなものでしょうか?

 こちらの味の素食卓容器は昭和6年に発売されたもののようです。製造元や型によって形状や文字が少しづつ違うものもあるようです。これは統制陶器などにもみられる差異ですね。

 某ドラマでは…出てこないだろうなぁ。時代としては出て来て当然だろうけど。

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 硝子製味の素食卓容器。

 磁器製のものは見聞きしてましたが正直、硝子製があるとは知りませんでした。磁器製の容器を調べるうち硝子製があることを知りまして、入手しました。

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 味の素の文字は底の、高台に相当する部分に日本語とローマ字表記が付いています。陽刻になっているんですねぇ。

 ガラス製品では陰刻で文様を付ける方法で今出来ものも古くすることができそうですが陽刻は型から作らないといけないので手間がかかります。それだけの手間暇かけて利益がどれだけ出せるかというところで、偽物を作る気力が失せるようです。

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 匙を入れるところもあります。小さな匙はどんな匙だったのかな?柄に『味の素』とかロゴがあったのだろうか。それとも小さな竹や木の匙だったのか?想像が膨らみます。

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 内部の様子。
 取り出しにくいなぁと思ったのですが、どうでしょうか。壁が筋に彫り込んであってこの筋に合う匙でなければきれいに取り出せません。

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 底の部分。
 さすがに時代が古いので成形はきれいです。


 そして磁器製。

 こちらはガラス製に遅れること3年、昭和9年に発売されたようです。こちらの方は私も本だったか見たことがありました。また、骨董市などでも見かけることがありました。

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 磁器製味の素食卓容器は硝子製と比べて形状デザインがモダンです。

 昭和9年ごろともなると洋食器への日本趣味応用や幾何学的文様図案を取り入れる活動が窯業界に見られます。これらの文様は国内ではコーヒーカップなど洋食器に見ることができます。

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 内部の様子は磁器製の他の容器と同じです。ろくろで挽いてきれいに成形したのでしょう。匙を入れる溝はありません。『湿気てしまう』から?でしょうか。

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 底部分には『味の素食卓容器・名古屋田代陶器』の赤絵印があります。この底印も別の種類があるようです。どちらが先の発売かはわかりません。

 『名古屋田代陶器』はいろいろな製品に見かけることができますが詳しい歴史はよくわかりません。白素地を仕入れ、上絵付けした後、販売する会社で輸出向けを中心とした商いをしていたのではないでしょうか。



 ガラス製品の特集はこれで終わりです。

 
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by richouken04 | 2013-10-19 12:15 | 戦前参考品 | Comments(6)
 先日の『コーヒミルク』壜を転用したものを紹介します。『コーヒミルク』壜と一緒に売られていました。

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 ラベルが残っていたのが不思議で、またありがたいことです。これでかなりのことがわかりそうです。

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 上下のそれぞれのラベル。マル公が付けられていますので戦中から戦後にかけての製品と分かりますね。内容量は牛乳も同じ容量でしたし、徳利には一合と書かれたものもありますので規格なのでしょう。

 ネット上では限界がありますね…『大府産業組合米田加工場』は愛知県の知多半島に実在したようですがわかりませんでした。メーカーに関しても虫食いもあり、不明ですがごく小規模なメーカーだったのでしょう。
 
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 コーヒミルクの陽刻

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 陸軍御用達と中村謹製の陽刻

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 錆びついた王冠、時代を感じさせます。

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 『2』の陽刻があります。


 中身はすでに蒸発してしまって真っ黒になっています。それでも捨てられず、こうして出てくるのですから昔の人は本当に・・・いや、昔の人とは失礼しました、モノを大切にしたんでしょう。

 ただ、隠匿しただけでしょうか???


 ・・・・・・

 先日の壜とともに。

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 文字の並びは揃えてあります。

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 文字部分のアップ

 同じ壜が使われています。このような例は2例目で、もう1点も『トマトケチャップ』でビール壜の転用でした。
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by richouken04 | 2013-10-15 21:54 | 戦中期参考品 | Comments(7)

㊥高級コーヒミルク

 最近の入手品で

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 ㊥高級コーヒミルクと陽刻があります。

 よく見えないので、角度を変えてみてみます。

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 日本におけるコーヒーの歴史を見ると当然のごとく、明治終わりに『カフェー』が普及し始めると消費量は増え、昭和10年代に黄金期を迎えます。
 この商品自体のことはよくわかりませんが、昭和初期の製品ではないかと思います。

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 『陸軍御用達 中村謹製』とあることも昭和初期であることを示しているかと思います。昭和14年の雑誌には軍隊向け製品を製造する製造者名を一部隠していますが、これはよく見えるように表示していますのでそれ以前かと思われます。

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 電話番号も陽刻です。『戎』とあるので大阪のメーカーだったのではないでしょうか。

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 底部分は八角形がよくわかります。また、底部分には『1』らしきものも見えます。


 次はこれを転用した例を紹介します。
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by richouken04 | 2013-10-13 12:03 | 戦前参考品 | Comments(4)

み號劑

 ガラス製品もあと少しだけお付き合いしてください。

 これはいくつか売りに出ていましたので壜だけがデットストックされていたのかもしれません。何気なく見て、星章やラベルから軍隊向けの製品であることはわかりましたが、詳細は不明でした。

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 『み號劑』と印刷されたラベル。一般的な名称ではないところに何か怪しげな雰囲気も漂っていましたが・・・

 ネットで調べてみますと『ビタミンB2を主として、夜目が効くとされた』とあります。歴史群像シリーズの一冊には詳しく書かれているとのことです。

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 ラベルには『 み號劑 45箇(5人1日分) 用法 1日3回毎食後3箇(1人1日9箇) 〇意:2日服用2日休藥ヲ繰返スベシ所用ノ1日前ヨリ服用〇開始スベシ1回3箇以上服用スベカラズ 第7陸軍技術研究所 陸軍衛生材料廠 19 10 カ 』 とある(〇は不明な文字)

 まづいなぁ、こんな短文でやっとこさだ…

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 蓋は樹脂製か?手で触ると中に金属らしきものが入っているようにも感じるがガラスを感じるのか。ぽろっと壊れそうなので蓋は開けられません。

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 後ろから、気泡だらけ。これはこれでいい感じ♫

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 底部分には『6』の数字が付けられています。これも軍隊内での管理上の役割を持っているのでしょうね。



 
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by richouken04 | 2013-10-09 00:30 | 戦中期参考品 | Comments(0)

防水インキ

 統制番号が陶磁器に付けられている例はいくつも紹介しているところですがその他の物にも時間が経つにつれ『登録番号』などと呼ばれる番号が付けられる例が見られます。雑誌などにも奥付に出版社の番号が付けられています。

 今日はそんな番号の付いたものです。

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 万年筆用『防水インク』、600CCあることや防水作用のあることを考えると行政または軍隊向けだったのでしょうか。一般的な万年筆用のインクは染料系のインクで防水性のあるものは特殊なものであったようです。

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 ラベルの拡大。中央の『防』のマークが防衛食を想起させます(関係無いでしょうが)そしてその下に『組合登録 ㊥四番』とつけられています。これは陶磁器に付けられた生産者登録番号(統制番号)と同じものと考えます。
 四番は死に番と呼ばれ『4=死』につながるとして敬遠されますが使用されているのです。ある戦時下の本ではこのような迷信や縁起を迷信と切り捨てこれらを信じないようにと諭す文章も残っている。

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 他に『愛知県価格査定委員会』のマル公ラベルが付いています。全国的な公定価格の制定の他に都道府県レベルでも公定価格が制定されていました。小売価格『73円90銭』。
 陶磁器は各地にそれぞれの組合があり、それを束ねる日陶連と政府が全国価格を制定しています。なので日陶連の名前でラベルが印刷されています。

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 壜自体は緑色というかこの時代の区分からすると『水色』なのでしょう。たくさんの気泡が入り壜だけでも魅力があります。




 
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by richouken04 | 2013-09-29 11:30 | 戦中期参考品 | Comments(2)

黒い化粧品瓶・3種

 黒い化粧品瓶は黒い牛乳瓶以上にかなりの数が存在している。これは需要という点で牛乳瓶以上に要求があったのであろう。しかし、今いざ集めようと思えばそうあるものでもないかもしれない。

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 それぞれタイプの違う化粧品瓶を3種類。それぞれ真っ黒です。牛乳瓶のように暗緑色だったり暗茶色ということもあるがこれは黒かったと思う。
 形状が違うのはそれぞれのメーカーの注文によるものだろうが左端のタイプは陶磁器製品と同じ形状が存在するし、存在している数も多いことから『規格化』されたものではないだろうか。

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 蓋はベークライトだろう。蓋には『クラブ美身クリーム』の商品名があるが陶磁器製のものと形状が違うので共の蓋かどうか不明。

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 底は前に紹介したガラス壜と比べた場合、比較的きれいに成形している。


 調べてみると『昭和19年11月24日軍需省告示第696号 硝子製壜最高販賣價格指定等』では『透明・水色』壜の他に『茶色』製の壜が登場していました。これが黒い壜のもとになってゆくのでしょうか。


 やはり黒い壜は戦争末期の産物なのでしょう。
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by richouken04 | 2013-09-27 11:53 | 戦中期参考品 | Comments(2)
 ちょっと脇にはずれましたが、ガラス製品の特集しております。

 ・コースター

 ・ナイト印純カレー粉

 ↑ こちらも出しています。 ↑

 ・・・・・・

 今日は以前、磁器製を紹介しているものと同じラベルを持つ壜を紹介します。

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 『YATSUME HORGEN』 は商品名のようです。『やつめホルゲン』となり、『八つ目ホルゲン』と変換できます。どうやらヤツメウナギからとれる油からつくり出される薬らしい。

 同じような名前でたくさんの会社が製造しているようでこれは『北海道水産工業会社』の名前が小さく書かれています。今でも同じ製品が造られているようで…びっくり。

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 気泡がびっしり入っていて壜好きにはそれで十分かもしれません。


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 こちらは磁器製。原画写真が失われたため『岐のやきもの・6』より転載。画質を悪くしているのではっきりしないところもありますが同じラベルです。

 こちらは『岐751』の呉須印が付いています。
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by richouken04 | 2013-09-20 00:59 | 戦前参考品 | Comments(6)

ナイト印純カレー粉

 カレー粉の瓶は以前に『浦上靖介商店 純カレー粉』を紹介していますがその後、一つ入手していますのでこの際、紹介します。

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 『ナイト印純カレー粉』のラベルもきれいに残っていて資料的価値もありますね。マル公が付いているので昭和14年9月以降であることは確かです。それでも英語表記の『CURRIE POWDER』を使用しているところをみると大東亜戦争開戦以前だろうか。

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 壜下部には『関東カレー工業組合指定壜』の陽刻があります。昭和14年5月に関東カレー組合が、昭和14年8月には関西カレー組合が結成されています。品質や価格などの統制のため規格かされた壜を使用させたのでしょう。

 美津和食品興業株式会社が戦後どうなったのかわかりませんでした。昭和36年5月設立の全日本カレー工業協同組合の名簿にはその名が見えますがその後どこかの会社に吸収されたのだろうか? 
 しかし、いろいろなカレー粉製造会社があったのですね。


 参考としてHP参照いたしました。

 『カレー産業史』 河野善福

 『カレー商品の歴史』 交易食品株式会社

 
 
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by richouken04 | 2013-09-15 13:55 | 戦中期参考品 | Comments(0)

コースター

 ガラス製品などを紹介していきます。参考として購入するぐらいで詳しいところはよくわかりませんのでそこはご容赦を。


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 先日、陶器と金属で造られたコースターを紹介したがこちらはガラス製です。カットガラスでしょうか。紫色というのはあまり人気が無いのかごちゃごちゃ入れられた箱にあり、安値で売られていました。

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 コップを置いてみた感じ。さまになりますね。

 コースターより湯呑が気になりますかねぇ…。
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by richouken04 | 2013-09-14 21:04 | 戦前参考品 | Comments(2)

黒い牛乳瓶、再び

 お盆の時期に入りました。この時期は帰郷したり、自由研究で歴史に触れることもありましょう。今話題になっていることもいろいろありますし…。

 『黒い牛乳瓶』再び登場です。

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 黒い牛乳瓶は戦時生活資料(銃後資料)として知られています。この分野では陶磁器による金属器代用品とこの黒い牛乳瓶が一番有名かと思われます。
 さまざまな色ガラス製品を混ぜ合わせたために黒い(大半はこげ茶か茶色、暗緑色という)色となった。

 明治33年4月7日の内務省令第15号『牛乳営業取締規則』では有害金属を含む金属器や陶磁器の使用を禁止しており(第6条)、その流れからガラスが使用されるようになったと思われる。
 大正13年8月2日の官報『牛乳の消費について(その2) 農商務技師 豊島勝二』では『普通には壜装の上加熱消毒を施したものである』とか『冷蔵は密封した罎装のまま行うのがもっとも取扱い易い』とも書かれている。

 牛乳を入れる個別容器を透明ガラスと決定されるのは昭和8年10月31日の官報『内務省令第37号 牛乳営業取締規則改正』による。第13条には『牛乳を配布する容器には著色せざる透明の硝子壜を用ふるべし』とある。(著色は着色の誤りか)

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 また容器には『全乳(特別牛乳に在りては特別牛乳)又は脱脂乳の別』を『明記すべし』としている。これには見えにくいが『全乳』と陽刻されており、古い型を使用してつくられたものなのかもしれない。
 
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 容量と思しき『180㏄』の陽刻も見られる。これも型が造られたころの規格なのだろう。昭和17年の『商工省告示第638号 硝子製牛乳壜及哺乳壜ノ最高販賣價格指定』には容量(満量)190㏄の瓶が1号瓶と紹介されている。ただ、満量にすることはないだろうから180㏄が一般的だったのだろう。
 同指定には水(青)色の牛乳瓶の文字もあるので水色も存在しているようだ。うーん、こちらは一度だけ見たがそれ以外見たことが無い。

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 口部分と底部分は以前の黒い牛乳瓶と同じ。底部分を見ると古いのか新しいのか比較的わかりやすいと思うが、いかがだろうか。


 結局、黒い牛乳瓶がいつ頃の物かははっきりしなかった。でも、戦下ではなく戦後すぐの製造じゃないのかという印象を持ちましたね。
 
 
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by richouken04 | 2013-08-13 13:40 | 戦中期参考品 | Comments(5)

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


by richouken04