時のかけら~統制陶器~

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タグ:参考品(子供用食器類) ( 11 ) タグの人気記事

犬山焼の子供茶碗

 犬山祭から一週間、その後の雨で桜も散りました。このお祭り中に開催された骨董市には犬山焼もいくつか売られていましたが今回紹介するものは今まで見たことがありませんでした。これは犬山で手に入れたものではありませんが・・・犬山焼です。

  犬山焼は江戸時代後期からの開窯で明治初期までは犬山城主・成瀬家の庇護を受けつつ、今も続いています。昭和16年ごろには犬山焼の組合が作られており、12の窯元が登録されていたようです。

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 犬山焼では紅葉に桜などどちらかというと風流・優雅な絵付けが多いのですが、これにはウサギが描かれています。もちろん手描きです。

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 蓋から見ると『ウサギとカメ』を題材とした絵柄だとわかります。『モシモシ カメヨ カメサンヨ』は石原和三郎の作詞で明治34年に『教科適用 幼年唱歌 (二編上巻)』、今でいう音楽の教科書に掲載されるという形で発表されました。
 注目すべきは亀です。金彩を使用しているのです。金彩用金液が日本で量産できるようになるのは大正後期から昭和初期です。そこから考えるとこの時期の生産だろうかと思うけれどどうだろうか。

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 内側は絵柄はありません。貫入が美しいです。犬山焼もいろいろあるけれど個人的には透明釉のものがいいな。

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 高台には『犬山』の凹印が付いています。『犬山』の裏印は様々な形状の枠で囲まれています。これは逆さになった桃なのかなぁ?と考えたりします。
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by richouken04 | 2015-04-16 22:07 | 戦前参考品

岐716の子供茶碗

 朝晩ちょっと涼しくなってきましたが、まだまだ暑い日が続きます。みなさま体調管理をしっかりしてくださいね。今日は夏っぽい、涼しい図案の子供茶碗です。

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 銅版転写と思われる転写で絵付けされた金魚の図です。金魚はとても人気の図柄で高価になる傾向があるのですが、最近はどうなのでしょう?これはそれなりの価格でしたが…それでも安価ですが。

 これを見た時に『そっくりだ!』と心で叫びました。この図柄とほぼ同じ茶碗があるからです。

 岐678の茶碗

 統制番号は違うものでしたが、これを入手したのが収集を始めたころでしたのでなんとも懐かしい気がしました。

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 裏面には水草がつけられています。茶碗にあったかどうか確認はできません。だって倉庫の奥深くにあるんですから。

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 高台内には『岐716』の凸印が付けられています。『妻木のやきもの』のタグを見ればわかりますが、この地域における茶碗・湯呑の生産は多くなかったようです。
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by richouken04 | 2012-09-04 19:35 | 岐(岐阜県東濃地区)
 子供茶碗と言っているが、当時窯元ではこのような名称はありませんでした。戦後、漫画やアニメの絵柄を茶碗に使用するようになってからこの名前が一般的になったのでしょうね。

 この子供茶碗は他のものと一緒に購入。そちらがメインでしたがこちらもそこそこ面白いものでしょ。

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 女人が描かれ、和歌が添えられる。このスタイルは百人一首の絵札ですね。名前は書かれていませんが和歌から小野小町のようです。

 『花の色は 移りにけりな いたずらに 我身世にふる ながめせしまに』

 恋に破れた自身と枯れてゆく花とをだぶらせた歌です。

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 別面は藤原道信朝臣の和歌です。

 『明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな』

 こちらも夜明けとともに恋人と別れなければいけない悲しさ…今も昔も同じですね。

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 三面目はなぜか下の句のみです。喜撰法師の和歌です。

 『わが庵は 都のたつみ しかぞすむ 世をうぢ山と 人はいふなり』

 茶碗には『世をうぢ山と 人はいふなり』だけです。これは他にも意味がありそうで…源氏物語の宇治十帖に絡ませているのではないかとも考えられませんか?

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 高台内には何もつけられていませんが、この茶碗はすごいんです。ほとんどの茶碗が高台を下にして焼くのに対し、こちらは伏せ焼きをしています。畳付(机との接点になるところ)はつるんとしています。

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 伏せ焼きですので口縁部は釉薬をはぎ取っています。伏せ焼きは洋食器の薄手のカップによく見ますが茶碗にはほとんど例がありません。高台部分に重量がかかり焼成が難しかったのだろうと推測しています。


 大正から昭和の初めは竹久夢二や高畠華宵、中原淳一など今までとは一線を画する文化が登場しました。その流れがこの茶碗を生み出したのかもしれませんね。
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by richouken04 | 2012-08-30 01:04 | 戦前参考品

メリー・クリスマス!

 
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 昭和初期でしょうが軍旗とサンタという組み合わせがなんとも…

 来年は平和でありますように。

 メリー・クリスマス!!
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by richouken04 | 2010-12-25 01:21 | 戦前参考品
 メリー・クリスマス!ということで、今日も子供茶碗です。

 
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 キリスト教文化であるクリスマスと、戦争前の日本を示す軍旗(日章旗)が組み合わされています。

 まだ、戦争の足音さえ聞こえていない頃でしょうか。

 これも東濃・瀬戸あたりでの製造でしょう。
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by richouken04 | 2008-12-24 22:02 | 戦前参考品

子供茶碗・その2

 これは前々から紹介したかったのですが、時機を逃してました。一部関係者には報告しているのですがおおっぴらにするのはこれが初めてです。

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 まあ、ネズミさんが楽器を演奏して踊るというもので、どこがそんなにと思われるかもしれませんが、こちらをご覧くださいな。

 ⇒常盤井殿町遺跡(二條家屋敷跡)の発掘調査・・・同志社大学歴史資料館が行っています

 6月4日付記事、閑話休題2です。

 色使いや茶碗の形状が違いますが、ほぼ同じ絵付けのものなんです!


 すげぇと思うか、いくつかあってもおかしくないだろうと思うかは自由だ~

 
 
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by richouken04 | 2008-12-22 20:12 | 戦前参考品

まんがの茶碗

 先日は海外のキャラクターもどきを紹介しましたが、今日は日本のキャラクターです。こっちはどうでしょうか。

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 戦前、戦中にかけ特に有名なキャラクター。一応、たぶん著作権に絡むものなので名前は伏せておきますが皆さん分かるかと思います。

 でもちょっと・・・違うようにも見えて・・・微妙です。この微妙な感じが逆に問題になっても言い逃れが出来るから都合がいいとされたのかもしれない。

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 別面には旭日旗。ゴム印で押されており、斜め半分の構図は統制陶器以前の子供茶碗で見られます。旗が半分切れた構図は問題があったのかもしれません。

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 統制陶器ではないため番号は付いていませんが、様式からして東濃地区で製造されたものとみて間違いないでしょう。高台脇はラスター彩が用いられているのも古い時代の特徴。
 サイズは直径9.3センチ、高さ4.4センチ。
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by richouken04 | 2007-05-22 16:58 | 戦中期参考品

ねずみの皿(輸出用角皿)

 ちょっと前に中国のテーマパークがあるキャラクターを無断使用し、著作権を侵害したとニュースになったことを覚えておられることだろう。
 子供向けとなるとどうしても使いたくなるのもよく分かる。戦前・戦中にも漫画のキャラクターを使用した食器類が見られる。その一つを紹介する。

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 あの日本人がとても好きな『ねずみ』のキャラクターを模倣していると思われる図案。戦前のキャラクターと今のキャラクターはかなり違っているので『似てるのか?』と思われるかもしれないが初期の頃はこんな細身だった。

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 あのキャラクターだと思うのは耳が黒く大きく丸いのと、チャップリンのような大きな黒い靴。考えてみるとどちらもあのキャラクターのトレードマークともいえる特徴。それがなければ単なるねずみと逃げることも可能だろうに・・・。

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 側面(横)から見るととても薄い、高さの無い皿であることが分かる。ケーキなどのせる皿であろうか、用途は分からないが絵柄からして子供向けに造られたものであろう。

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 高台内には『MADE IN JAPAN』と読める黒呉須の裏印が付けられている。アメリカへの輸出用の食器だろうが、何かの都合により国内に残ったようだ。購入地は倉敷です。
 サイズは横幅15.1センチ、高さ1センチ
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by richouken04 | 2007-05-20 16:06 | 産地・時代不明品

子供茶碗

 子供をテーマとしてつづっております。今日は昭和16年以前の統制番号を伴わない子供茶碗を紹介します。ほぼ同じ図で統制番号付きが存在するので番号の付け忘れとも考えられますが一緒に複数出てきたことから古いものと判断しています。

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 日の丸を片手に走る子供。片手には軍刀の代わりの竹刀か木刀、棒切れを持っているので兵隊ごっこをしているのだろう。歴史漫画にも多く描かれる時代を象徴する遊びの一つ。
 ちゃんばらごっことも見えなくないが、帽子の色が鉄帽に似たものなのでまず兵隊ごっこと見てよいだろう。

 日本軍を題材とした子供茶碗は数が多いが、これは今でもテレビヒーローを題材としていろいろなグッズが造られているのと同じと考えている。題材は違えども『強い憧れ』を抱くものを身近にすることで『そうなりたい』欲求を満たす効果があるのだろう。

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 反対面には少し小さな男の子が遅れまいと駆けてゆく。年長の子供2人が走るその後ろを付いてゆくという構図。この3人は兄弟か,それとも近所の同じくらいの年の子供だろうか。

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 高台部分には番号は付いていません。戦後はこうした軍国主義の図案はGHQにより禁止されたので昭和16年以前、ゴム印での絵付け・共通する図案があることから東濃(岐阜県)地区での製造と思われます。
 サイズは直径9.4センチ、高さ5センチ。
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by richouken04 | 2007-05-18 17:14 | 戦中期参考品

子供茶碗

 終戦後、東濃地区ではちょっとした『好景気』に沸いたらしい(昭和20年冬~21年2月ごろ)。どこに行ってもモノがないことで造れば売れる、飯茶碗3個で米と交換できたという。

 簡単に儲かる時期が続くわけがなく、しばらくすると困窮に陥ります。その後も紆余曲折をたどりますが、そこはここでは時代が外れますのでパスします。

 占領中の品物で有名なのは『MADE IN OCCUPIED JAPAN』銘のある品々ですが銘の無いものも多々あります。絵柄や雰囲気から判断しますが、これもそんな一つです。

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 若き米兵(何かしら狐か猫のように見える)がジープの上からあいさつをしている。『Good bye グツドバイ』、この頃の状況を描く物語にはこのような単語が多数登場するがその一つ。

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 おかっぱの女の子(ちょっと太りすぎ?服の中に何か隠してる?)は手を上げて米兵に返している。『Hallow ハロー』、スペルが間違っている。それでも通用したのだろう。
 昭和10年代には『オーバーオール』の名前こそ無いけれど一体型の服がデザインされている。赤いたて筋というのが何か意味深に見えるのは私だけだろうか。

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 高台部には番号はありません。この頃ですとまだ番号の付いた石膏型を使用しての製造は行われていたものと考えられるのですがこの茶碗にはありません。消した形跡も無いので新規に造ったものでしょう。

 高台脇には紅色の帯が一周しています。この帯は東濃地区の子供茶碗に多く見られるものですのでこれもおそらく東濃地区で造られたものと考えられます。
 サイズは直径9.5センチ、高さ5.2センチ。
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by richouken04 | 2007-05-17 18:20 | 占領期参考品

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


by richouken04