時のかけら~統制陶器~

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タグ:赤絵・転写印 ( 18 ) タグの人気記事

 年末に向けて統制番号のついた洋食器も紹介したいのでまとめて紹介いたします。

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 洋皿には食べ物をのせる中央部と文様が付けられている『リム』とよばれる部分があります。ここに文様をつけるのは今も昔も変わりませんね。

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 リム部には果実をつけた植物文様があります。西洋陶磁器ではシンメトリーな文様になる場合が多いのですが和風化された洋食器では非シンメトリーな場合があります。

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 底の銘は『硬質日?磁器 KATO Co 』と赤絵印が付けられています。
 『KATO Co 』なる会社については詳細は不明ですが名古屋市内の陶磁器商店ではないかと思われます。

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こちらの洋皿も上記と同じように上絵付けされています。

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 リム部の絵付けは果実文様です。さくらんぼのように見えますがどうなのでしょう。

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 底部には銘などはありません。

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 洋皿は細かな文様で縁取りされています。

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 リム部はバラと思われる連続文様が付けられています。昭和の花唐草と言えます。

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 底部分には『硬質磁器 SHOWA-SEITO』のクロム印が付けられています。
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by richouken04 | 2015-11-21 10:18 | 産地・時代不明品
 前回の和食器を洋食器化したとする文様をご紹介しましたが、似た文様が洋食器にもあります。(もちろん本家・元祖の文様がありますがそちらはまだ収蔵していなかったようです)

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 全体に黄土色の絵の具を吹き付けた上にさらに六陵鏡枠の窓絵を焼き付けています。
 こちらはどちらかというと洋食器の和風化といえるのではないでしょうか。このような動きは昭和初期からはじまります。

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 カップ
 口縁の文様は前回の湯呑と似ています。丸窓ではないものの文様も似た感じです。それにしても文様に『コウモリ』とは現在の感覚からしたらあり得ないかもしれないですね。
 コウモリの漢字表記、蝙蝠の蝠が福と同じ発音であることからコウモリは幸福の象徴となりました。しかし、西洋文化の流入、特に吸血鬼の仲間とするイメージの定着ですっかり悪者扱いです。

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 底部分には『硬質磁器 MIKADO CHINA』の赤絵印が付けられています。調べてみると古谷駒平なる人物がミカド商店を立ち上げていた。この会社はノリタケの森村市左衛門と関係があったとか。詳細は不明ですが関連があるのかもしれません。

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 ソーサーもカップと同じです。配置は均等ですが3つとも同じでないところが日本的ですね。

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 高台部分にはカップと同じ『硬質磁器 MIKADO CHINA』の赤絵印が付けられています。





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by richouken04 | 2015-11-03 10:07 | 戦前参考品
 しばらく骨董の話題ばかりだったので、昭和の陶磁器にスポットをあてたいと思います。

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 『愛知硬質磁器』という会社のカップ&ソーサーです。形状はこの時期に多く見られる逆台形に『ク』の字形の取っ手です。

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 絵柄はこれまたよくみられるバラです。転写による絵付けは細かな点がみられます。後年になるとシルクスクリーン転写の登場によりこのような点々も無くなっていくようです。

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 伏せて焼いているので底部分は釉薬がかかりつるつるですが、口をつける口縁は釉薬がかかっていません。

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 ソーサー。シンプルな絵付けですね。シンメトリーに絵柄配置しない点は日本のデザインです。

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 カップとソーサーにはそれぞれに『愛知硬質磁器 aichiseitosho』の銘が付けられています。瀬戸に『愛知製陶所』が存在していますのでここの製品なのかもしれません。
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by richouken04 | 2015-10-30 12:25 | 産地・時代不明品

パラオ焼の煙草セット

 敗戦まで日本は南洋諸島(現・パラオ)を委任統治していました。それまでの領主国と違って教育やインフラ整備、産業振興などを行ったため、今に至っても親日国でいるといわれています。最近では天皇陛下の訪問で知られますが、私自身は7年前に知ったほどでよく知りませんでした。

 とてもいい国ですよ。

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 煙草セットと呼ばれる灰皿と煙草入です。このようなセットは昭和初期頃から金属・陶磁器・木製/竹製(一部金属)などいろいろつくられたようです。これは2点のみですがおそらくこれらを載せるトレーがあったものと考えられます。
 文様は琉球古典焼きをほうふつとさせる動物文様?です。全面をピンク地で埋めるというのも国内製品では見ないデザインですね。

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 底部分には『パラオ焼』の赤絵印が付けられてます。パラオで使用するためにであれば別にこのような印は付けなくともよさそうですので、パラオ土産として企画・製造されたものと考えています。

 パラオには大勢の日本人が渡りました。江戸川乱歩も小説内で登場人物が南洋諸島へと向かうという最後があったはずですが、題名をど忘れしました・・・
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by richouken04 | 2015-08-11 17:43 | 産地・時代不明品
 今年は戦争が終結して70年の節目。未来と過去を同一視するのはちょっと違うと考えていますが、来たるべき未来のことを真剣に考えてゆくことはよいことだと思ます。しかし、未来を考えるには『感情』に身を任すだけではなく過去を『冷静』に見ないといけないではないでしょうか。

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 今日は皇紀2600年の年号入りの盃を紹介します。

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 『皇紀二千六百年 満洲建設勤労奉仕記念 祝 富山隊』の文字がある盃です。見込には日本と満州国の国旗が描かれます。『富山隊』とあることから富山県で組織された方々が無事帰還したことを祝って配布したものなのでしょう。

 満洲建設勤労奉仕隊についてはあまり研究がされていないということや戦中戦後の混乱から資料の散逸などもあるかと思いますがはっきりとしたことがわかっていないというのが現状のようです。2-3か月の現地奉仕作業ののち帰国したようです。

 興亜学生勤労報国隊満洲建設勤労奉仕隊農業学校隊報告書(国立国会図書館デジタルコレクションより)

 「満州建設勤労奉仕隊」に関する基礎的考察 白取道博(北海道大學教育學部紀要 2000-03)

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 側面は『赤・白・青』の輪線がぐるりとまわしてあります。満州国国旗の色を使用したようです。岐阜の盃と比べると立ち上がり深く造られています。

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 高台内には『九谷』の赤絵銘が付けられています。『九谷』銘はゴム印のものと手書きのものがあります。産地でつけ方が違っていた可能性がありますがこちらもはっきりしたところはわかりません。
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by richouken04 | 2015-08-10 19:11 | 戦前参考品

名30のポット

 まだ開花中だから時期遅れってこともないと思うのです。でも、世の中『桜・桜・桜』ですよね。

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 椿の花(個人的にはヤブツバキかと?)が上絵付けされたポットです。

 戦時下のポットは洋食器類の中では比較的数が多いものです。それでも5つくらいでしょうか。これは形状が角々の戦争前のデザインが面白いです。

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 素地に黒い貫入が走っていますので不合格品としてはねられたものが再利用され流通したということです。こういった例はいくつか存在しています。物資不足から必要とされたのでしょう。

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 底部分に『名30』の赤絵印が付けられています。
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by richouken04 | 2015-03-28 23:45 | その他産地
 盃の中でも軍事的なものは比較的人気がありますね。確かこのような盃ばかりを取り上げた本も出版されていたと思います。

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 最近、ここ半年くらいかでいろいろ時間も違いますが同じ『支那事変記念』の盃が集まりました。

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 側面から見てみるとそれぞれ個性的だなぁ。

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 高台内もいろいろです。番号付きや番号無しなどちょっとずつ時代が違っています。
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by richouken04 | 2014-04-23 23:53 | 戦中期参考品

味の素食卓容器

 味の素食卓容器の登場です。硝子好きの方々にとってはマイナーなものでしょうか?

 こちらの味の素食卓容器は昭和6年に発売されたもののようです。製造元や型によって形状や文字が少しづつ違うものもあるようです。これは統制陶器などにもみられる差異ですね。

 某ドラマでは…出てこないだろうなぁ。時代としては出て来て当然だろうけど。

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 硝子製味の素食卓容器。

 磁器製のものは見聞きしてましたが正直、硝子製があるとは知りませんでした。磁器製の容器を調べるうち硝子製があることを知りまして、入手しました。

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 味の素の文字は底の、高台に相当する部分に日本語とローマ字表記が付いています。陽刻になっているんですねぇ。

 ガラス製品では陰刻で文様を付ける方法で今出来ものも古くすることができそうですが陽刻は型から作らないといけないので手間がかかります。それだけの手間暇かけて利益がどれだけ出せるかというところで、偽物を作る気力が失せるようです。

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 匙を入れるところもあります。小さな匙はどんな匙だったのかな?柄に『味の素』とかロゴがあったのだろうか。それとも小さな竹や木の匙だったのか?想像が膨らみます。

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 内部の様子。
 取り出しにくいなぁと思ったのですが、どうでしょうか。壁が筋に彫り込んであってこの筋に合う匙でなければきれいに取り出せません。

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 底の部分。
 さすがに時代が古いので成形はきれいです。


 そして磁器製。

 こちらはガラス製に遅れること3年、昭和9年に発売されたようです。こちらの方は私も本だったか見たことがありました。また、骨董市などでも見かけることがありました。

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 磁器製味の素食卓容器は硝子製と比べて形状デザインがモダンです。

 昭和9年ごろともなると洋食器への日本趣味応用や幾何学的文様図案を取り入れる活動が窯業界に見られます。これらの文様は国内ではコーヒーカップなど洋食器に見ることができます。

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 内部の様子は磁器製の他の容器と同じです。ろくろで挽いてきれいに成形したのでしょう。匙を入れる溝はありません。『湿気てしまう』から?でしょうか。

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 底部分には『味の素食卓容器・名古屋田代陶器』の赤絵印があります。この底印も別の種類があるようです。どちらが先の発売かはわかりません。

 『名古屋田代陶器』はいろいろな製品に見かけることができますが詳しい歴史はよくわかりません。白素地を仕入れ、上絵付けした後、販売する会社で輸出向けを中心とした商いをしていたのではないでしょうか。



 ガラス製品の特集はこれで終わりです。

 
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by richouken04 | 2013-10-19 12:15 | 戦前参考品
 市内のリサイクルショップにて購入しました。

 時にびっくりするようなものも出ますが、やはり値段でしょうか。

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 ソーサーだけなのですが、21円って!

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 戦後ノリタケで生産された『ローズチャイナ』です。

 ノリタケとしての品質が確保されないとのことでこの裏印が用いられたと聞いています。
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by richouken04 | 2012-11-13 08:53 | 占領期参考品

許27277の小皿

 骨董ジャンボリーで購入したものです。ジャンボリーでは小品を中心に何点か拾えましたが、次日の骨董市巡りでその内容もかすんでしまいましたが…

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 ひょうたんから駒を図案化したものです。『忠勇』と書かれているため目についたのですが、ことわざの意味を改めて考えてみると『あれ?』と首をかしげてしまいました。

 『ひょうたんから駒』…①意外な所から意外な物が出ること。ふざけて言ったことが実現することのたとえ ②とうていありえないことのたとえ

 ひょうたんから出て来ているのは姿格好からして騎兵とみても差し支えないのではなかろうか。
 これが見立て通りの騎兵として、前者の意味合いから図案を考えたものとすれば『忠勇』ひょうたんから大きな力が出現するという意味合いなのだろう。
 しかし、後者に意味合いをとった場合には『忠勇』ひょうたんからこんなものが出る訳が無いとなってしまう。この図案を作った図案家に反戦の心が宿っていたのだろうかとうがってしまう。
 もちろんどちらも私の推測にすぎないがいかがだろうか。

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 高台には一部剥がれもあるが『許27277』の赤絵印が付けられている。統制番号とともにこの番号の付いたものを『許のやきもの・許27222の皿』で紹介しているが、こちらには『許』のみです。
 『許』記号についてはまだ謎な部分が多く、はっきりした目的もわかりません。今後の調査が待たれます。
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by richouken04 | 2012-08-19 23:39 |

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


by richouken04