有5の皿
一部を変形させる有田の皿です。変形の食器は有田と品野(現・瀬戸市)地域において生産されていますが他の地域ではほとんど見ることができません。これはサイズが大きいものです。
染付けは無く、色絵で牡丹と蝶々を描きます。どちらも吉祥の文様として陶磁器に取り入れられています。繊細な筆使いは江戸期の鍋島焼を彷彿とさせます。
この皿は複数出てきたのですが、その内の一枚には『有5』の呉須印とともに『富右衛門』の銘がつけられていました。他の皿は『有5』の呉須印がついてるのみです。有田地域では少数ながら窯元や作家の銘と統制番号が存在する例があり、どんな製品を生産していたか判断するのに役立っています。