総集編 炊事の道具・その2 おろし金・すり鉢
マル公のラベルのある楕円型の汁受け付きおろし金です。やわらかな白磁は万古焼きでしょうか?統制番号が付いていないことを考えると昭和16年以前の製造です。
瀬439のおろし金。白磁のものは結構見かけますが、茶一色のものはなかなか見かけません。形状は白磁のものと同じですので釉薬の違いだけですが・・・
瀬926のおろし金。代用品として図録などで見かける形状です。これは白磁のもの。刃(歯?)の部分は磁土を掘り返しています。刃こぼれをしやすいものです。
品101のおろし金。同じような形状ですが産地により違いが見られるようです。品野地区の製品はこれ一枚だけですので産地としての統一性があるかどうかあと数枚は必要ですね。
万76のふた付きおろし金。万古焼きは独特のデザイン趣向で他を圧倒しています。おろし金一つとってもいろいろな種類があるようですがふた付きの汁受け付きおろし金は比較的たくさん流通したようです。底の隅に見えにくいですが『万76』の凹印があります。
万85のおろし金は馬蹄型とも船形とも表現できる形状です。造りが鋳込みあるいは板造りですので刃こぼれはなさそうですが細かくすりおろせるのでしょうかねぇ。裏に『万85』の黒呉須印がつけられています。
会津16のおろし金。磁器製で瀬戸地区のそれよりもさらに薄型です。会津地区は福島県の焼き物で会津本郷焼きとして知られています。『会津』または『会』の地域別称がつけられています。『会津16』のクロム印があります。
会24のおろし金。同じ形状は同一のデザインで統一したからでしょうか。会津焼きの統制陶器はおろし金を数多く見かけます。『会24』の呉須印がつけられています。
続いて、すり鉢。
岐1026のすり鉢。岐阜県駄知(だち)町に今も操業する窯元の製品です。大物を得意とする地域でこれも大きな製品です。今でも見るすり鉢と同じです。高台部分に『岐1026』の凹印があります。
品170のすり鉢。これは小型です。しかし、見た目は今のすり鉢と同じです。釉薬が安定していないのかあるいは灰がかかったのか変化が出て見所です。高台内に『品170』の凹印があります。
肥28のすり鉢。佐賀県で造られたすり鉢は磁器質ですね。完全な磁器ではなさそうですが側面は白磁で装飾はまったくありません。大きなサイズです。側面?に『肥28』の呉須印がつけられています。