時のかけら~統制陶器~

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国民食器と工場食器 その3

 大正時代には登場してくる緑二重線入り食器(まだこの頃は国民食器の名称は付付けられていない)。その後、この食器に関する文献を調べてみると、昭和9年6月10日発行の『美濃の陶業(』なる冊子にそれと思われる記述が見られる。
 『日本陶磁器工業組合連合会生産分野』という項目があり、日本陶磁器工業組合連合会がこの時点で生産品と製造地域を統制していたことがわかる。その中に『厚口食器(二本筋入)』の名称が見られる。これは緑二重線入り食器のことではないかと思われる。

 そこに示された生産地は『瀬戸 岐工聯(岐阜県陶磁器工業組合連合会の略称)(西南部、瑞浪)』になっている。これは瀬戸地区と東濃地域の西南部(多治見・笠原・市之倉)地区と瑞浪地区での生産を許可したとのことで他の地域では生産してはいけないことになっていたのである。

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 統制陶器を見てみると産地を示す記号では『瀬(瀬戸)』・『岐(岐阜県)』・『品(品野)』の三地区がみられる。印銘の付け方や器種はいろいろあるものの次のようになるだろう。(上部・『岐289』煎茶碗、下部・『瀬609』小皿)

 ・茶碗(汁碗形を含む)
 ・湯呑(煎茶碗形を含む)
 ・蓋付き丼
 ・小鉢
 ・皿(丸皿・多角形皿)

 比較的現存数が多いのはサイズはいろいろだが、皿であろう。反対に少ないものは小鉢でこれは戦時下の食糧事情によるものであろうか。


 つづく
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by richouken04 | 2010-03-14 00:26 | 統制陶器って何?

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


by richouken04