時のかけら~統制陶器~

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国民食器と工場食器 その6

 りちょうけんさんのコレクションのなかで緑二重線入り食器はどれくらいあるのだろうか、そしてどのような地域傾向があるのかを探ってみた。ここでは生産地が判別できる統制番号の製品で見ています。

 ◎国民食器(ここでは緑二重線入りで他に文様の無いもの)と工場食器(社章や名前のあるもの)、絵付けされているものの総計
 
 ・東濃地区(岐阜県)

  西南部(多治見市)地区・・・14点(国民食器11点 工場食器3点)
  
  土岐津(土岐市・一部多治見市)地区・・・35点(国民食器29点 工場食器4点 絵入り食器1点)

  妻木(土岐市)地区・・・21点(国民食器13点 工場食器7点 絵入り食器1点)

  下石(土岐市)地区・・・0点(今のところ確認無し)

  駄知(土岐市)地区・・・11点(国民食器

  瑞浪(瑞浪市)地区・・・20点(国民食器11点 工場食器9点)

  恵那(瑞浪市)地区・・・10点(国民食器9点 工場食器1点)

 ここから見えてくるのは土岐津地区での生産が一番多く、妻木地区、瑞浪地区と続いている。ただ、瑞浪地区での製品は『美濃窯業株式会社(岐1065)』で生産された製品が多く存在している。
 反対に下石地区では一点も確認されていない。これはおそらく東濃地域における生産品の割り当て上、皿などを生産していなかったからであろう。また、番号が不鮮明で地域が特定できなかった製品もいくつかあることを記しておく。
 絵付けされた製品は2種類あったがひとつは上絵付けされた子供茶碗で、もうひとつはイッチンで下絵付けされている。全体で見れば数は少ないものの、この食器の性格を考える上で重要ではないだろうか。

 ・瀬戸地区(愛知県)

  瀬・セ・・・10点(国民食器7点 工場食器1点 絵入り食器2点)

 ・品野地区(愛知県)

  品・・・3点(国民食器3点)

 瀬戸地区と品野地区は現在、瀬戸市となっている地域と思われる。窯元数では東濃地域とそれほど遜色はなさそうだが、緑二重線入り食器だけを取り上げて比べるとかなりの差異が出ることがわかる。
 瀬戸地区で絵付けされた国民食器の丼が存在しているが、こちらは緑線の上から紅を刺して上絵付けされているため戦後の流通品であろう。

 その他の地域では

 ・名古屋地区(愛知県)

  名・・・1点(工場食器1点)

 名古屋地区は瀬戸地区や東濃地域から素地を購入し、上絵付けする仕事が確立されていたためこの一点もどちらかの地域から搬入されたものであろう。

 九州地域では緑二重線入り食器でも緑線が均一な太さの線ではなく、どちらかが太い線になっているのが特徴といえる。

   
 つづく


 
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by richouken04 | 2010-04-24 16:53 | 統制陶器って何?

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


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