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時のかけら~統制陶器~

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防水インキ

 統制番号が陶磁器に付けられている例はいくつも紹介しているところですがその他の物にも時間が経つにつれ『登録番号』などと呼ばれる番号が付けられる例が見られます。雑誌などにも奥付に出版社の番号が付けられています。

 今日はそんな番号の付いたものです。

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 万年筆用『防水インク』、600CCあることや防水作用のあることを考えると行政または軍隊向けだったのでしょうか。一般的な万年筆用のインクは染料系のインクで防水性のあるものは特殊なものであったようです。

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 ラベルの拡大。中央の『防』のマークが防衛食を想起させます(関係無いでしょうが)そしてその下に『組合登録 ㊥四番』とつけられています。これは陶磁器に付けられた生産者登録番号(統制番号)と同じものと考えます。
 四番は死に番と呼ばれ『4=死』につながるとして敬遠されますが使用されているのです。ある戦時下の本ではこのような迷信や縁起を迷信と切り捨てこれらを信じないようにと諭す文章も残っている。

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 他に『愛知県価格査定委員会』のマル公ラベルが付いています。全国的な公定価格の制定の他に都道府県レベルでも公定価格が制定されていました。小売価格『73円90銭』。
 陶磁器は各地にそれぞれの組合があり、それを束ねる日陶連と政府が全国価格を制定しています。なので日陶連の名前でラベルが印刷されています。

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 壜自体は緑色というかこの時代の区分からすると『水色』なのでしょう。たくさんの気泡が入り壜だけでも魅力があります。




 
by richouken04 | 2013-09-29 11:30 | 戦中期参考品

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


by richouken04