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時のかけら~統制陶器~

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岐314の子供茶碗

 昭和17年4月18日、東京は初めて空襲を受けた。その後、空襲に対する対策を指令・実行してゆく事になる。その一つが動物園の猛獣を処分するというものだった。空襲時に逃げ出して事故を起こさないための対策である。
 昭和18年8月にその指令が上野動物園に下りゾウは餓死、クマ・ライオン・ヒョウ・トラなどは薬殺された。特にゾウは曲芸をして子供たちに人気があったので、「助けやって」と手紙が届いたほどだった。
 しかし昭和19年には名古屋や大阪でも同様の理由から動物たちが処分されていった。

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 今日紹介するものは動物が描かれた子供茶碗。ここには鹿とキリンとカンガルーが上絵付けの銅版転写で絵付けされている。
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 鹿は古くから日本に存在しているが、キリン・カンガルーはいつ頃から日本に来たのだろうか。岐阜県から一番近い名古屋の東山動物園は昭和12年に開園し、同年8月アフリカからキリンがやって来たという。
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 カンガルーが同園にいたかどうかわからないが、カンガルー自体は江戸時代にオランダ経由でその存在は知られていた。絵葉書などで見たのかもしれない。
 石膏型による鋳込み成形で、高台内に『岐314』の呉須印がある。サイズは幅9.9センチ、高さ4.7センチ。

 敗戦後、昭和24年から名古屋の東山動物園に生き残ったゾウを見るために『ゾウ列車』が走らされた。子供たちにとって忘れられぬ思い出となったことだろう。

 このゾウ列車の話はNHKで放映されるらしい。また、上野動物園のゾウの話は絵本『かわいそうなゾウ』を見ていただきたい。泣けます。
by richouken04 | 2005-08-10 01:15 | 岐(岐阜県東濃地区)

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


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