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時のかけら~統制陶器~

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岐451の子供茶碗

 昭和19年に入ると戦況の悪化は国民にも感じ取れるまでになってきていた。学校では給食が6大都市で始まったが3年生以下にはパン1個と味噌汁、4年生以上には握り飯2個と言う状態だった。
 7月には柿やリンゴの皮・落花生などを用いた代用パンも出現した。遊旅行や少年歌謡劇といった数少ない娯楽も禁止された。
 軍部は10月、「一億憤激米英撃摧(げきつい)国民大会」を開催し国民の結束を図った。同28日には特攻隊に関する特別放送が2日間にわたり放送されるに至るのだった。

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 子供茶碗にこのような文様を入れていた事には驚かされる。その当時の戦局からして昭和19年ごろの製造かと思われる。
 日本兵が米兵(?)にまたがり軍刀を振り上げている様は今の感覚では到底、考えられぬものだろう。しかしこの時代はどんなに戦局が悪化しようとも最後は必ず日本が勝つ、と信じていた国民が多かったことも確かでこのような図柄も国民意識の高揚のために必要だったのかもしれない。
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 反対側は子供茶碗に多く見られる旭日旗(国旗)。
  絵付けはすべてゴム印によるもので色を重ねる際少しずれた箇所が目立つ。この頃になると窯元の働き手も兵隊や軍需工場などへ働きに出て少なくなっている。なれぬ作業をこなしていた証明ともいえる。
 茶碗は石膏型での鋳込み成形。高台内に『岐451』の陰刻印がある。サイズは幅9.7センチ、高さ5センチ。岐阜県土岐市土岐口で製造されたもの。
 
by richouken04 | 2005-08-11 15:21 | 岐(岐阜県東濃地区)

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


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