岐325の湯呑み
入手したのは今年の6月。京都の骨董市でした。うぶだし屋さん(一般家庭から古物を買出しに来る人たちの事)のホコリだらけの焼き物の入った箱の中から出てきました。
柄は紹介されているものと同じです。こちらのほうが呉須が薄いでしょうか。機械のハンドルと歯車のようなモチーフと植物の枝・葉の組み合わせは今となっては不思議な文様といえる。三方にそれぞれ同じ文様がゴム印で染め付けられている。
もっともこれを「祥瑞(しょんずい)」手の一種と見ればこのような不思議な文様も理解が出来る。祥瑞手は中国明時代末に製造された染付磁器にあった銘から付けられた文様の名前で器面をいくつかの区切りにして、それぞれに違う文様を全面に施したものをさします。
日本でも有田(伊万里焼)などで写されている。
石膏型による鋳込み成形で高台内に『岐325』と呉須印が押されている。あちらの番号も『岐○25』とあるので同じではないかと思う。番号から現在の岐阜県土岐市の窯元で焼かれた事がわかる。サイズは幅8.5センチ、高さ4.9センチ。