岐245のミルク入れ
今日はそんな珍しい洋食器を紹介する。
ミルク入れと見られる洋食器。こういったものはよくノリタケの洋食器セット(コーヒー茶碗のセットなど)の一つとして紹介されていることが多い。これもそんなセットの一つであったのだろうが見つけたときはすでにこれだけになっていた。
裏表に文様があり、バラ?のような花がデザインされている。多色刷りの上絵付けで銅版転写のような感じがするが、石版転写によるものだろう。下部は赤い顔料で吹き付けがなされている。
高台内には『硬質磁器』銘と『岐245』の赤絵印が押されている。これも石膏型による鋳込み成形で、取っ手のみ後付されている。
この時代の洋食器はほとんどが輸出向けとして製造されたと見られているが、このミルク入れを見るとそれもまんざらではないと感じる。そのデザインが日本人受けするようなデザインではないからで、東南アジア方面向けのデザインであったのだろう。
そうすると東南アジアでも統制番号の入った洋食器類が発見されるかもしれない。