瀬740の灰皿
戦時中でもタバコは配給や『闇』などで手に入れることが出来たようであるが戦局が悪化するといろいろな植物で『代用』タバコを作るなどしていた。タバコが無ければその代用品を作ってしまう。愛煙家の執念を感じざるを得ない。
これは現在の物に近い形をしているが、唯一違う点が一箇所だけある。それはマッチ箱立てと呼ばれる画像左端に見える突起部で、ここに平べったいマッチ箱を立てて、吸う時に取り出しやすいようにしている。
バラの絵は繊細に擦られていて美しい。石版転写であろう。銅版転写でここまでの物は見たことが無い。
高台内には『愛知』銘と『瀬740』の呉須印の統制番号が見える。特殊な形は石膏型による鋳込み成形だが、薄く作られているので技術力を持った窯元で製造されたものであろう。
サイズは直径12.8センチ、高さ4.9センチ。