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時のかけら~統制陶器~

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岐1162の皿、2種類

 今まで紹介してきた物はどれも生産者(窯元)のもとで上絵付けをした物、あるいは上絵付け専門の窯元で絵付けされたものを紹介してきた。ちなみに上絵付け専門の窯元には番号をつける義務は無かったようです。
 これらは生産された地域の上絵付け業者(窯元)で絵付けされるのだが、どういう訳か生産地以外の場所で上絵付けされ、流通した物が存在する。


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 花のブーケを五ヶ所に散らした典型的な洋食器。

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 拡大してみると石版転写かと思いきや、実はゴム印での上絵付けをしている。葉や花弁など微妙に版がずれている。無論非常に細い輪郭線は銅版か石版で転写している。

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 高台部には薄いが『桜陶』銘と『岐1162』の陰刻印が付けられている。石膏型での鋳込み成形であろう。サイズは直径22.8センチ、高さ2,3センチ。

 ここでひとつ問題が出るのだ。この『桜陶』という銘、実は『岐1162』の生産者の屋号ではないのである。それがややこしい点なのだ。次に紹介する物を見るとそれがよく分かる。
 

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 縁をちょんちょんと輪花状にした洋皿・・・ちょっと苦しいか。上絵が鯛なので和食器皿として流通させたものだろうか。

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 2匹の鯛は手際よく、うろこ部分を塗りつぶさず残すという熟練の技の光る絵付けである。

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 高台中心部に『桜陶 名27』と『岐1162』の陰刻印がある。この皿の出現により『桜陶』が名古屋地区の製陶会社ということが判明し、またこの絵付けが名古屋でされた物だとわかる。

 ここからは推測なのだが、2つのことが考えられる。一つは『岐1162』で生産された白素地の皿を『桜陶 名27』が買い取り、それに上絵付けをした。もう一つはもともと『桜陶 名27』は上絵付けを専門としており、『岐1162』の生産者が依頼して上絵付けをした。どちらかではないかと思う。
 いずれにせよまだこれからの課題であろう。
 
by richouken04 | 2005-10-20 00:37 | 岐(岐阜県東濃地区)

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


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