瀬925の急須と湯呑
火に直接掛けない急須はそれだけで2度手間と受け取られたのでしょうか、あるいは製造窯元から見た時形状の複雑な急須を敬遠していたのかもしれません。土瓶と急須の数を比べると急須は少ないです。
全体が淡い緑色に発色している色絵の急須。やきものに詳しい方なら一目見て「犬山か?」と思われるかもしれません。紅葉(あるいは楓)と梅花を全面に施している。このような文様は雲錦手(うんきんで)と呼ばれるもので、尾形乾山のデザインを踏襲しており、犬山焼に多く見られる。
正面(注ぎ口から)
上から蓋を見たところ。白梅の白は顔料の質の関係かどうかわからないが変色が起こっている。(白からグレーへ)
底には『瀬925』の凹印の統制番号が見える。ヤカンは石膏型を用いての鋳込みがあるが、これは小さいろくろでひいていると思われる。注ぎ口と取っ手は胴部の成形後、後付している。サイズは最大長さ17.1センチ、高さ8センチ。
全く同じ意匠の湯呑。上記の急須とセットになっていたものが出てきたとの事である。急須1個に湯呑5個のセットは今と変わらない。形状から判断するに番茶用の湯呑であろう。
高台部の写真がないが撮り忘れで、高台内部に『瀬925』の凹印の統制番号が入っている。
サイズは直径8.3センチ、高さ5.5センチ。