品53・品57の変形皿(愛知県瀬戸市)
あわび型をした青磁鉄絵染付の変形皿。内部に陽刻で海老と水草(海草)が陽刻され海老の鉄絵、水草(海草)に呉須が付けられている。
裏面は高台内部はつるっとしているが高台周りの側面は布目文様となっている。布目文様は当て型からはずしやすいように布(ガーゼなど)を粘土に貼り付けた時できる模様のことで古くから瓦の成形時に使用されていた。
製陶では桃山期の織部陶や昭和期の瀬戸製品に見ることが出来る。
統制番号は高台内ではなく側面に付けられている。『マルに品53』の統制番号が凹印でつけられている。サイズは最大幅16.8センチ、高さ2.9センチ。
こちらは同じ形で生産者が違う物。あわび型の豆皿で醤油など入れるためのものだろう。見込みは山水文で、縁周りは魚が連続した文様となっている。
高台部の写真がないのだが高台部に黒呉須印で『品57』の統制番号がつけられている。サイズは測り忘れ。
これらは形状がとても面白く昭和初期からのデザインを考える上でも興味深いし、戦争完遂のために規格統一・合理化を推し進めた時期においてこのような変形皿が製造されたことはある種驚きでもある。
昭和16年~17年の初期の段階で生産されたものではないのだろうか。