時のかけら~統制陶器~

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サザエ形の醤油注しと急須

 以前、『岐』の統制番号のつくサザエ形の醤油注しを紹介したが、覚えておられるだろうか。その後、統制番号は無いものの同形の物が2つ出てきたので今日はそれらを紹介する。

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 まずは醤油注し。『岐765の醤油注し』を見ていただければ同形である事がわかるだろう。また統制番号が上絵付けされている事からこれが昭和16年以前に生産されていたことがわかる。

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 上から蓋を見ると『秋山商店』と金彩?で書入れがされている。同店の配布品だったのだろう。このような店名の書き入れは戦前・戦後を通じて行われているが、多く見かけるものは酒屋の商号である。この店も醤油を扱うかたわらで酒も販売していたのかもしれない。


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 こちらは急須で注ぎ口以外は全く同じ形をしている。『江の島』と名前が入っているのでお土産用に生産されたものなのだろう。
 昔も生産地と販売地が違うお土産があることを示す面白い一例といえる。『岐765』の醤油注しは『天ノ橋立』と書かれていた。
 
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 内部を見ると貝の先端部までうまくつくられているがかえって掃除がしづらいのではなかろうか。
注ぎ口へと向かうもと(名前が思い出せない)は今の急須と同じ形状をしている。機械生産が進んできた時代だったろうがこんなところは手間が掛かったことだろうと思う。

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 釉薬の無い部分は接地点。ロウなど発水性の薬を塗った後、釉薬をつけたのだろう。
 旅の土産を食卓で使用する、その都度思い出がよみがえる。『モノより思い出』なんてCMコピーもあるがモノがあるから思い出もよみがえるのではないだろうか。
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by richouken04 | 2006-02-21 02:15 | 戦中期参考品

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


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