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時のかけら~統制陶器~

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瀬68の湯呑と瀬729の蓋付き茶碗

 岐阜県東濃地区の製品が続きましたが、これは仕方の無いことです。緑二重線入り食器のほとんどが東濃地区で生産された物なのです。他の産地では日陶(日本陶器=ノリタケ)と瀬戸、品野で生産されたことが番号記号からわかります。
 今日は瀬戸の製品を紹介します。

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 『日本工業株式会社』と上絵付けで社名が書いてある筒型の湯呑です。緑二重線であるものの、緑の輪線は筆書きで太さやつなぎ目に雑なところが見られます。

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 高台内には『瀬68』とクロム釉印で統制番号がつけてあります。筒型の湯呑は高台が薄く低い傾向が見られます。これは戦後の製品と見られるものも同じです。サイズは直径7.3センチ、高さ7.2センチ。

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 こちらは緑二重線が入っていませんが、文様からどこかの会社で使用された蓋付き茶碗だろうと考えています。旗に菱形、中にS。
 瀬戸地区でいつから緑二重線入り食器類を生産し始めたかわかりませんが、この蓋付き茶碗を生産したころはまだ生産していなかったのだと思います。

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 茶碗の高台部に『瀬729』とクロム釉印が付けてあります。サイズは茶碗が直径11センチ、高さ6センチ。蓋は直径9.9センチ、高さ3センチ。
by richouken04 | 2006-03-18 00:23 | 瀬・セ(愛知県瀬戸市)

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


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