有84の皿
今日紹介する有田の皿も、昔からの題材を描きつつ面白いデザインを施しています。
主となる題材は老梅(白梅)で、それをリアルに描いている。手元にこの皿が無いため手描きによるものだったかどうかの判断が出来ないものの、かなりの技術を有していた職人が製造したものといえる。
また、皿の中央部には呉須の輪線を3本ひいて画面のアクセントとしている。伊万里焼にも時としてとても斬新な画面割をしたものが見られる。このようなデザインは少しでもバランスが狂うととてもいやな感覚を引き起こす事がある。ここからはそのような感じは受けない。
皿の器形は緩やかなカーブを描きながら一周し、和食器と言うよりも洋食器を想起させる。以前、『岐1086』の洋食器を多数紹介したが、その中にこのような縁取りの鉢があった。面白い偶然である。
高台内には『有84 傳平』の呉須印の番号印が押されている。時々窯元の銘や会社名が残されているものが見つかり、生産者・生産場所の特定に役立っている。この窯元は有田町歴史民俗資料館への問い合わせにより、泉山の窯元『池田伝平窯』ではないかとの事でした。
サイズは測り忘れ。大体直径15センチ~20センチだったと記憶しています。