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時のかけら~統制陶器~

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セ538の化粧品瓶

 今週から再び通常のブログになります。どうぞよろしく。
 最初に何を出そうか迷ったが、化粧品瓶を紹介します。

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 この写真を見ると『レートの小瓶』と思われるかと思います。この特徴のある形状はレートクレームの化粧品瓶ですよね。でも・・・

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 別面には『MELVON ・・・(不明) メルボン クリーム』と不明な化粧品名のラベルがつけられています。他にラベルは無く、製造者は不明です。
 レート瓶の類似品である可能性があります。あるいは戦後しばらくの混乱期にありあわせの陶製容器に詰めてラベルを貼り販売したものかもしれません。
 個人的には戦後の混乱期と見ますがどうでしょうか。

セ538の化粧品瓶_c0004987_1612622.jpg

 蓋は購入時より無いので残念です。蓋に『LAIT』とあれば面白かったのですがね。中身が一部残っています。干乾びてすでに香りもありません。

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 高台面には『セ538』の凸印がついています。サイズは直径5.3センチ、高さ4.6センチ。

 レート瓶は乳白色ガラス製と磁器製の物が一般的です。一概ではありませんが、底部分が残っている場合は特に番号が無くともわかりやすいです。
 ガラスにも高台はありますが成形後、窯で焼く必要が無いので高台はつるんとしています。磁器製は窯で焼く必要がありますので、高台の底部分は釉薬が剥ぎ取られてつるんとはしていません。上記写真でも茶色く汚れています。

 それでも底がつるんとした例外もあります。割れた破片状であれば判別は可能です。破断面をよく見てください。ガラスは表面も内部も同じ材質ですので一体です。ですが、磁器は表面と内部の材質が違います。ルーペや虫眼鏡で割れた面をよーく観察するとどちらであるかの判断がつくと思います。

 割れも無く、底もつるんとした番号も無い磁器製レート瓶?・・・そうなると強い光にかざしてみてはどうでしょう。ガラスは光を通しますが、磁器は光を通しません。

 判断に迷うときの一つの判断方としてご紹介しました。
by richouken04 | 2006-08-29 16:14 | 瀬・セ(愛知県瀬戸市)

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


by richouken04