時のかけら~統制陶器~

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マッチ箱

 とにかく金属の代用品というのは木製・紙製・樹脂(ベークライト)製・布製などさまざまな素材でさまざまなものが造られています。そのための工夫とそれらを生み出した努力には頭が下がります。いわば当時の『プロジェクトX』とでも言いましょうか・・・。

 代用品は戦時中の花形の遺物なので、コレクターさんが多いです。時としてとても高価になりますが『戸車』のように大量に在庫が出てくることもしばしばです。そうなると一気に底値になったりもします。
 今日紹介するものも底値に近い価格で購入したものです。やはり在庫として残っていたものでたくさんありました。

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 銀色と茶色に塗られたマッチ箱各2種類です。

 これらは統制されなかったやきものです。生産者を示す統制番号はありません。やきものはそのほとんどの種類で価格・生産の統制がなされましたが、ごく一部の種類に関しては統制されませんでした。
 マッチ箱や『軽質陶器』と呼ばれる器物、汽車土瓶などです。

 詳しく見てみましょう。

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 銀色も茶色も両側面には陽刻(エンボス)の戦時標語が付いています。『護れ大空』、『敵は降参』、『我等は増産』、『一億翼賛』、『八紘一宇』そして『火の用心』。
 両面の方の組み合わせを考えるといくつ物組み合わせが出来ますし、他にも違う標語の入ったものが存在することも予想できます。

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 形はどちらも表紙のしっかりした本の形をしており、小さな穴があけられています。ここからマッチを出し入れしました。紙製ですと湿気の問題や誘火の危険がありますが、これならばどちらの問題も解決と考えたのでしょう。

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 マッチを擦る部分は経年の変化と紙の付着で印象がかなり違ってきています。今はもう使用不可能でしょう。サイズはどちらも横長さ6.7センチ、高さ4.7センチ、奥行き1.5センチ。

 もう一点ご紹介を。

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 こちらは標語が無いタイプで、時々見かけるものです。先ほどより細長く、多色なので明るく見えます。

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 日の丸の文様は片面だけで反対面はマッチ擦り部のようです。無論、別面にも擦る部分がつけられています。

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 側面には大きな穴。これほど大きいといっぺんにたくさん出てしまい不便だろうと思います。サイズは測り忘れ。

 今となってはライターの普及で『マッチ』を見たことの無い子供もいるかもしれないのですね・・・。いや、そういった火器全般触らせないことのほうが多いのかもしれませんな。
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by richouken04 | 2006-09-25 11:43 | 戦中期参考品

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


by richouken04