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時のかけら~統制陶器~

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岐145の茶碗

 皆さん結構海岸で拾われている統制陶器ですが、骨董市などで発見してきた収蔵品の中に全く見られない番号や図柄を拾われております。昭和16年~20年と言う4年余りでどれだけ生産されたのか、と考えてみると恐ろしいほどです。

 北は北海道、南は沖縄、海外では中国・韓国・タイ(ここは伝聞によるものですが)で発見されている統制陶器。今日紹介するものは北海道の業者さんから譲っていただいたものです。

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 精密な転写が可能な石版で図柄を上絵転写した茶碗です。銅版や型紙と比べ細かなドット(点)で絵柄が表されています。ここでは黄色い菊がまるで今造ったかのような絵柄で残っています。

 石版転写技法の確立に尽力した人物は多治見の小栗國次郎でした。当初日本陶器の独占状態でしたが彼は独立し、各地の窯元へ技術を伝えました。当然、東濃(美濃)にも伝えられましたが、窯元数が多く立ち並ぶ中でそれを使う窯元は少なかったようです。

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 反対面にも菊一輪。大輪の花はこれからの季節、各地の菊花展で見られるかと思います。もともと中国より薬として持ち込まれた菊。食べ物の器の図柄としてふさわしいものの一つに違いありません。

 東濃や名古屋では上絵付け専門の窯元がありました。昭和17年ごろだったと思いますが、東濃では上絵付けを上絵付け専門の岐阜県陶磁器上絵付加工株式会社で行うようになります。

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  光が反射してしまったようで見づらくなっていますが、高台内に『岐145』の赤絵印が付けられています。赤絵印は上絵付けですので、上絵付け加工会社が発足前の製造ではないかと考えられます。サイズは直径11.2センチ、高さ6.2センチ。
by richouken04 | 2006-10-26 00:53 | 岐(岐阜県東濃地区)

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


by richouken04