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時のかけら~統制陶器~

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岐281、岐474の皿

 今日は久しく取り上げていなかった山水文の皿を3点紹介します。骨董市では廉価で見かけることの多い皿ですが、サイズから見ると12センチ程度と使い勝手はよいものです。それゆえにたくさん造られたのでしょう。
 収集当初はこれらばかりが集まってほとほと困ったこともありましたが、逆に最近ではあまり見かけなくなった気がします。山水文の皿に手を出さなくなったのも一因としてありますが・・・。

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 これは銅版転写の皿です。大正時代に入ってくると全面に文様があるものと余白を生かす構図のものとが現れてきます。次第に余白を生かすものが増えるのですが、この時代は余白を多く取るものの方が多いです。

 余白を生かす文様は山水文様が多く用いられます。まだ当時たくさん見られたであろう農村のわらぶき屋根のある風景や中国の山水画より借用した構図のものが見受けられます。

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 高台面には『岐281』とクロム印が押してあります。銅版転写のこれくらいのものはほとんどが昭和16年以前の製造なのか統制番号の無いものです。サイズは直径11.3センチ、高さ2.4センチ。

 もう2点紹介します。

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 これも銅版転写の皿です。同じような構図でありますが、縁周りがあるかないかで大きく印象が違って見えます。発色が黒っぽいのは焼成の加減もあるでしょうがどちらかと言うともともと黒っぽい顔料を使用しているためです。

 これにそっくりな構図の皿がありましたのであわせて紹介します。

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 そっくりでしょう?松の枝ぶりや岸辺の部分はほぼ同じです。わらぶき屋根のあずまやの位置と大きな岩が置いてあるのが違う点でしょうか。ちなみにこれは『岐468・呉須印』です。

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 最初の縁の丸い黒っぽい顔料の皿の高台部です。『岐474』の呉須印がつけてあります。この番号印の色を表と見比べると顔料による発色で黒っぽいことがわかります。サイズは直径11.1センチ、高さ2.3センチ。

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 これは『岐281』の皿の構図に似ているでしょうか。桜の花形の枠取りがされ、、その中にひょろひょろとした松が2本、銅版で描かれています。この手の文様の皿は骨董市でもよく見かけます。

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 高台内には『岐474』の呉須印が付いています。一つ目と同じような皿ですが、全く同じではありません、分かりますか?高台の形が違います。古い時代のものは高台が垂直になるように造られる傾向がみられますので、こちらの方がわずかに古いのかもしれません。
 サイズは直径11センチ、高さ2.4センチ。
by richouken04 | 2006-10-29 01:17 | 岐(岐阜県東濃地区)

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


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