岐471、岐510、岐655の皿
色が薄いのですが、ゴム印の皿です。大きな松の木の下には東屋があり、橋の上には仙人?の姿も見えます。このような図柄は中国の明末期の古染付の影響があるかと思います。日本に輸入されたこれらには羅漢像や仙人像が描かれたものがたくさんあります。
古伊万里でも竹林の賢人や雪の中筍を掘る孟宗の姿を描いたものが見られます。昭和の初めはそれらの古いものを見直す雰囲気がありましたのでこういった図が考案されたのでしょう。
高台部には『岐471』とクロム印が付けられています。同じゴム印なのでこちらも黒い顔料でいいのでは?と思うのですがそこが不思議で面白い点でもあります。サイズは直径13.1センチ、高さ2.8センチ。
こちらも大きな松の下には東屋がありますがこちらの方が立派な建屋になっています。どこか風光明媚で別荘地のようにも感じます。
木の葉をよーく見ると『カエルの卵』に見えます。
高台内に『岐510』のクロム印があります。サイズは直径11.2センチ、高さ2.2センチ。
最後は見るままにゴム印の文様です。ここまで来るとその作業が機械的に行われていただろう想像がついてしまい、ちょっとげんなりします。
いや、製造されていた方々には悪いですが今現在の感覚で言えば多少は手を加えて欲しいな・・・と感じてしまうのです。有田や波佐見と見比べるとさらにその気持ちが増大してしまいます。
文様は田舎の風景を切り取ったものでしょうか。水車が回り、とてものどかな風景です。毎日の暮らしに疲れ果てた人々の心を少しでも癒そうと考え出されたのでしょう。
高台内には『岐655』の黒呉須印があります。サイズは直径11.4センチ、高さ2.4センチ。