許27321/九谷の盃
例外といえるのは『許●●●●●』の番号を伴うものだけである。
大黒様を図案とした盃。高く掲げた打ち出の小槌には金が使用されている。昭和14年ごろに金の使用が禁止されているはずだが、実際には金を使用したものが少なからず見られる。在庫として残っていたものを使用したのか、特別な配慮のもと使用されたものかはわからないが使用禁止後もヤミで金液の取引が行われていたことは当時の関係者の話から分かっている。
側面はゴム印で松竹梅をあらわす文様が付けられる。形状は湯呑を極小にしたような筒型。この形状のものには『九谷』のゴム印銘がつけられていることが多い。東濃(美濃)のものは逆三角形の形状が多いので産地特定の鍵であろうか。
ただ、これも少なからず疑問の残るもの(九谷銘ではあるが逆三角形、絵柄が東濃のものと同じなど)も存在するので一概にすべてが九谷製と見ることは出来ない。
高台内には『許27321 九谷』と赤絵印が押されている。九谷の銘もいろいろな字体があるがこれは一般的な字で書かれている。
サイズは直径5.1センチ、高さ2.9センチ