万122の貯金箱
今現在生産されている万古焼はこのようなデザインはあまり無いように思います。時代の要請がありますのでデザインも世の中の流れとともに変化するのは当然です。
今週は再び鋳込みで生産されたであろう、貯金箱のいくつかを紹介します。
全面水色の戦車。ど派手です。戦車は子供茶碗の題材として使用される例があり、これもまた青色が多いです。当時の戦車の車体が青かったのかどうか私は知りませんが目に入って新鮮・印象に残りやすいのでこの色になったのかもしれません。
片側にはお金を入れるための穴が開いています。当時は貯金することが大々的に推奨されたため貯金箱はたくさん生産されたようです。
キャタピラーの回転軸?の中央部には金が、白ともねずみ色にも見える部分には銀です。高価な金・銀彩を使用している点を考えると統制番号を付け始めて間もない頃なのではないかと思われます。
貯金箱の底には『万122』の黒呉須印が付けられています。また、その隣には公定価格のラベルがあったと思われる痕跡だけがあります。糊にでんぷんが含まれるため虫に食べられてしまったのでしょうか。
サイズは長さ(最長)11.8センチ、幅7.7センチ、高さ7.4センチ。
この貯金箱は繰り返し使用できるように穴があけられています。穴のあるものは壊されずにすむので実際に使用されたものも見かけます。これは全くの未使用でデットストックで出てきたので傷や擦れもなく本当にきれいなものです。