万37の貯金箱
招き猫型の貯金箱です。これは戦車の貯金箱とともにデットストックされていたものでそのために使用跡はありません。製造直後の美しさを保っています。
鈴と目には金彩が施されているので統制番号を付け始めた頃ではないかと思います。もともとの土の色はわからないように前面に白土が化粧掛け(白くない土を白く見せる技)しています。ここでは白の黒ぶち猫を表現するために施したようです。
角度を変えて。
肩口にお金を入れる穴があります。尻尾もあります。黒・赤・黄緑・金はすべて手でつけられています。
底には『万37』の赤絵印がつけてあります。また当時の『三重県陶磁器統制連盟』の検査格付証紙が付けられています。贅沢かもしれませんが小売価格の表記が無いのはちょっと残念です。
サイズは高さ12.3センチ。
ちなみに招き猫は江戸時代から登場してくるらしいとインターネット検索で出てきました。昭和の時代では昭和14年、愛知県の豊橋市で陶製貯金箱のうち『招き猫型』が売り上げトップになったという記事が見られました。