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時のかけら~統制陶器~

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貝杓子と貝スプーン

皆様コメントが遅れまして申し訳ありません。 
先日に引き続き、貝を使用した代用品2点です。

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 貝杓子(おたま)です。煮物には欠かせない調理道具ですね。こちらは実用にかなったと見えてかなりの数が製造され、たくさん残っています。今でもお土産として売られている場合があるかと思います。これは当時のラベルがそのままですので間違いないものです。

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 貝は半透明の薄い紙で包まれているので見難いですが『貝 実用杓子』とあり、柄には『マル公 国益杓子』とあります。マル公は公定価格(政府による価格)を示しています。昭和18年改訂版の『金物公定価格総覧』(産業日本社・発行)には貝杓子の価格が記載されており、一番大きいもので31銭したようです。(ちなみに貝の鍋、貝スプーンは記述がありませんでした。)

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 貝の裏側です。ホタテよりは赤みが強いですね。これもよく分かりません。サイズは測り忘れ。おおよそ15センチくらいでしょうか。

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 こちらは貝匙(スプーン)。ラベルなど無いので当時のものか戦後に入るものなのか詳細は分かりませんが、つくりは杓子と同じです。ただ、角を削って丸く加工している点は他と違うところです。

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 裏側です。光が強くて貝が見えないですね、すいませんでした。二枚貝でも大き目の貝で表面は滑らかです。物資が無いとはいえ使用する時のことも考えて造ってあります。
 これもサイズは測り忘れ。貝の部分は3-4センチあったと思います。大人向けでしょうか?
by richouken04 | 2007-06-24 22:12 | 戦中期参考品

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


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