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時のかけら~統制陶器~

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岐221の湯呑

 どこだったか忘れたけれど、古老が古陶をガラス越しに見ながら友人?に『最近は絵付けがへたくそになった』と話されているのを聞いたことがある。まぁ、確かに否めないですネェとか言われていたと思うけど妙に印象強く残っている。

 型紙摺絵、銅版・石版転写、ゴム印、シルクスクリーン・プリント転写とどんどん単純化されてゆく作業化では致し方ないところがあろう。また戦前よりやきもの業界自体安定したものではなかったので一部業者以外では人員の教育という部分まで手が回らなかったのだろうか。

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 呉須で描かれた春蘭の文様。統制陶器ではごくごくありふれた文様のひとつではあるけれど迷いの無い葉の描き方、濃淡で葉や花を描き分けるのは焼き上げ前を知っている方であれば難しいことがお分かりになるだろう。
 春蘭の根元には怪石。中国江南地方(蘇州や杭州あたり)で珍重された石を描きます。石の枠としてイッチン技法が使われています。

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 反対側に葉の一部が描かれています。こういう一見無駄に見える部分に手を加えるのが日本の伝統ですね。

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 高台内には『岐221』の呉須印があります。岐阜県多治見市一之倉で生産されたものです。この地域は戦前より酒盃を多く焼いていましたが湯呑も多く焼いています。サイズは直径8.1センチ。
by richouken04 | 2008-05-22 16:04 | 岐(岐阜県東濃地区)

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


by richouken04