時のかけら~統制陶器~

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岐1163のティーポット

 岐阜県陶磁資料館の展示では某氏の優品を展示しています。あの時代のイメージからするとちょっと信じられないような絵柄のものも展示されています。実際そういうものも多いです。

 それらは国内向けというよりも主としてアメリカ向け製品や南洋(今の東南アジア)や支那・満州(中国)向けに製造されたものが輸出されず国内に残されたもの、あるいは戦後になって白素地に絵付けされたものが流通した、この2点が考えられています。

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 このティーポットもそんな1つと考えています。ティーポットはセットで製造・販売されるものですのでこのポットにも本来は砂糖壷・ミルク入れ・カップ&ソーサーがあったのでしょう。これ一つででてきたことは残念なことです(贅沢な言い分ですが)。
 ポットの絵付けは石版での絵付けでしょうか、ゴム印や銅版では表現し得ないやわらかい印象を強く受けます。これを戦時中のやきものとは絶対思わないでしょう。

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 芍薬か牡丹でしょう。白素地の美しさとあいまってまったく時代を感じさせません。これは産地由来のものでもあります。

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 ポットの底には『岐1163』のクロム印と『SHOFU CHINA』上絵銘が付けられています。白素地は岐阜県瑞浪市陶町、上絵付けは京都の会社と見られます。どちらも技術力が高い会社ですのでこんなすばらしいものが造られたのでしょう。
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by richouken04 | 2008-06-14 16:59 | 岐(岐阜県東濃地区)

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


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