時のかけら~統制陶器~

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 戦後の軍用食器の転用について今回が最後です。また時期が来たら、いろいろなバージョンがあればご紹介することもあるかと思います。 

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 星章の上に花唐草を簡素にしたものを上絵付けして隠しています。隠してはいますがゴム印で押しただけですので丸わかりです。戦中にこんなことは絶対できないでしょうから戦後のモノと思います。

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 花文様は三方向についてます。

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 内部には梅枝文と半円の輪線文様が付けられています。全体像としてはこんな感じですのでやはり小鉢ということですね。

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 高台内に『有80』の凹印が付いています。この窯元は有力窯元だったのかいくつかの伝世品が残っています。
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by richouken04 | 2015-08-27 00:17 | 戦後参考品
 名古屋製陶所(名陶)の軍用食器は比較的多く伝世しています。大規模施設を持っていたため大量発注されていたのだと思います。
 戦後の絵付けと考えられる星章を消した軍用食器の転用品が知られていますが見ることは少ないです。今回、揃いましたのでご紹介します。

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 湯呑(ないし小鉢)、碗、丼、皿の4種類のセットです。すべて上絵付けで星章を消すように花文様が付けられています。

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 星章部分の拡大。隠すようにつけられています。(写真は皿と湯呑または小鉢のもの)

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 高台部分には『名陶』の呉須印が付けられています。


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 追記

 本日、多治見の美濃骨董市へ行ってきましたが収穫ゼロ。オリベストリート沿いのOさんの店で一点のみ。今後の骨董催事のスケジュールとお財布をニラメッコしながらのギリギリの行動が続きます。

 白洲正子氏みたいに『スラッ』と行きたいもんだな~
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by richouken04 | 2015-08-24 00:13 | 戦後参考品
 戦後70年というお盆週間もアッというまに過ぎ去り、あれほど熱かった人々の集いの話題もどことなく静まり返ってしまったような気がします。
 日々、ショッキングな出来事が起こるにつれどうしてもそちらに話題が移ってしまうのは仕方ありませんが大きな問題ですので注目していかなければなりません。

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 戦争に負け、人々は食うこと、生きることで精一杯だったといわれる終戦すぐの時期、モノ不足から様々なものが作られましたが戦時下よりもモノの現存は少ないかと思います。陶磁器はまだ残りやすいものですがそれでも少ないと思います。

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 こちらは『茶釉の茶碗』です。売主は『小鉢』とされていました。パッと見は小鉢とか茶碗として見えるのですがよーく見ると星章が見えるのです。そう、軍隊用の食器なのです。しかしこれは軍隊用の食器なのか?

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 軍隊用の食器は今までいくつか紹介しましたがこのようなものはありませんでした。各地で発掘された軍隊用の食器類をみてもなさそうです(すべてを確認したわけではないので)。焼き上がりの悪いものはありましたが『白磁』が基本です。それにこんな色では星章も見えません。
 
 そう考えるとこれは軍用食器の型を使用して造られた戦後の食器ではないかと考えられます。

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 高台内には統制番号の記載は見られません。茶色の陶土を使用しています。もともとが磁器ではなく、陶器なのでしょう。
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by richouken04 | 2015-08-22 23:21 | 戦後参考品
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『画家たちと戦争展』を観てきました。

 名古屋市美術館






 何人かの画家の戦前・戦中と戦後の作品を並べた同展。この時代の『美術』をどう捉えてゆくかについてかなり難しかったのではないかと考えると関係者各位には頭が下がる。

 なにしろ『国策』に従わなければ活動の場は少なくなってゆく時代です。著名な画家は従軍画家として南洋に赴いたり、戦争画を描いたり。それは当時の日本人としては当然といった感覚だったのだろう。これを批判するのはごくごく簡単なことですが、これは歴史に対する後出しじゃんけんだと考えています。

 歴史は覆すことができない。いかに未来への糧とするかのみではないか。そんなことを感じた。

 ポスターにも出ている、松本俊介『自画像』。少し上向きの大地にグッと立ち上がる絵画として有名だがこれとて『解釈』次第で『国策』に沿った絵画といえないこともない。そんなギリギリの時代に生きた方々。

 
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by richouken04 | 2015-08-15 13:46
 今の日本の状況を考える上で参考になるのではないか、と思い入手してみました。

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 『徴兵制六十周年に當り 徴兵制の沿革を偲び其の将来に及ぶ』 昭和七年十一月 陸軍省

 題字にあるように徴兵制の成り立ちが書かれていて、徴兵制がどのように導入されていったかを考える上で重要な資料かもしれません。

 これを読んでみて、今の状況を考えてみると社会状況が相当に、激変というか天地がひっくり返るというかそういった出来事が起こらない限りあり得ないのではないのかと考えてしまいます。
 ただ、国際状況がどうなってゆくかはだれも予想できないことですので戦争が起こった場合、本当に徴兵制が制定されないとも限りません。

 この冊子の一節には次のような文書があります。

 『国家は其の国民の挙げて防護すべきものである。必任義務兵役制度は、最も能く此の趣旨に適合している。
 凡そ国家は其の存立維持の為必ず護国の方法を講じ、其の安寧を図らねばならぬ。此の護国のことたる、国民の挙って之に任ずべきもので、決して一部国民の私すべきものではない。即ち必任義務兵制度がこの法理に合するのであって、我国憲法に明らかに之を規定せられている所以である。即ち兵役は国民の最大にして崇高なる義務であるが、更に国民は自ら進んで服する一の権利であると主張したいのである。
 さればこの兵役は何人と雖(いえども)代人を許さず、また金銭等を以て代償することも出来ぬ。また六年以上の刑に處せられた者は、之に服することが出来ぬと云う、最も神聖なものである。』(旧かな使いで読みずらい部分は読みやすくしました、段落は原文のままです)

 読むと納得できるような気もしますが、兵役のみが国に対する一番神聖な義務・権利ではないはず
 
 国を護る方法だっていろいろとあるはず!世界各国の文化を学び・理解しようとすることもその一つだと考えます。

 戦争はダメです!

 たとえ自分たちが戦勝国になるとしても。

 幸せな国にはなりません。


 
 
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by richouken04 | 2015-08-14 14:14 | 戦前参考品

海軍用の食器・2点

 陸軍用食器の次は海軍で使用されたと思われる食器をご紹介します。
 海軍は陸軍と違って陶磁器製の食器はあまり多く存在していません。一説では軍艦内で使用しようする場合、落下して破損、怪我をするというリスクを避けたためとも言われています。

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 錨に桜章がつけられた軍隊用食器です。これとほぼ同じ星章の付いた陸軍用の食器はたくさん見るのですが錨に桜章の付いた食器は見かけません。口縁は割れ欠けを防ぐため厚くつくられています。

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 高台内には『肥28』のクロム印が付けられています。『肥28』は佐賀県嬉野市塩田町にある『志田陶磁器株式会社』に割り振られた番号です。今も工場(現・志田焼の里博物館)が残されていて、内部に残された道具類にこの番号を見ることができます。

 ※志田焼の里資料館HP

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 こちらは海軍で使用されたとも言われる、富士山の絵柄の入った食器です。つくりは軍隊用食器にみられる厚い口縁です。富士山は吹き墨の技法でつけられていると思いますが一部彩色もあるかもしれない。『岐』で見られる富士山と比べるとかなりリアルです。
 反対側にも雲海が描かれていて適当にデザインされたわけではなさそうです。

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 高台内には薄いのですが『名陶』の呉須印が付けられています。『名陶』銘の軍用食器は星章がほとんどでこのような絵柄付きは初めてです。

 
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by richouken04 | 2015-08-13 21:51 | 戦中期参考品

陸軍用の食器・2点

 今日明日と最近入手の軍用食器?をご紹介しておきます。

 今日は陸軍の『星章』が付けられた食器です。

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 星章が付けられた汁入れまたは湯呑と思われる食器です。同じような形状は『名陶』銘の食器揃いにも存在することから同じ規格で製造されたのでしょう。

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 底部分にあるはずの生産者を示す記号などは見られませんでした。軍用食器は1938(昭和13)年に日本陶磁器工業連合会が『代用品』として指定していることからこの時期以降で生産者の記号をつけるような指令が出るまでの間に製造されたものなのかもしれないです。

 ※<代用品>としてのやきもの(2001年、瀬戸市歴史民俗資料館)の図録にも軍用食器が掲載されていて、21点中5点は無印のようです。

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 こちらも星章を付けた皿(食器)です。これも他の食器類と同様の形状をしているので規格による製造なのでしょう。上記の星章と比べると呉須の発色がきれいです。

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 底部分には『四角枠に青』の呉須印が付けられています。この銘から有田の青木兄弟社が製造した製品と考えられます。釉薬が若干青みがおびていて、瀬戸美濃の製品とは違います。
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by richouken04 | 2015-08-12 21:26 | 戦中期参考品

パラオ焼の煙草セット

 敗戦まで日本は南洋諸島(現・パラオ)を委任統治していました。それまでの領主国と違って教育やインフラ整備、産業振興などを行ったため、今に至っても親日国でいるといわれています。最近では天皇陛下の訪問で知られますが、私自身は7年前に知ったほどでよく知りませんでした。

 とてもいい国ですよ。

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 煙草セットと呼ばれる灰皿と煙草入です。このようなセットは昭和初期頃から金属・陶磁器・木製/竹製(一部金属)などいろいろつくられたようです。これは2点のみですがおそらくこれらを載せるトレーがあったものと考えられます。
 文様は琉球古典焼きをほうふつとさせる動物文様?です。全面をピンク地で埋めるというのも国内製品では見ないデザインですね。

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 底部分には『パラオ焼』の赤絵印が付けられてます。パラオで使用するためにであれば別にこのような印は付けなくともよさそうですので、パラオ土産として企画・製造されたものと考えています。

 パラオには大勢の日本人が渡りました。江戸川乱歩も小説内で登場人物が南洋諸島へと向かうという最後があったはずですが、題名をど忘れしました・・・
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by richouken04 | 2015-08-11 17:43 | 産地・時代不明品
 今年は戦争が終結して70年の節目。未来と過去を同一視するのはちょっと違うと考えていますが、来たるべき未来のことを真剣に考えてゆくことはよいことだと思ます。しかし、未来を考えるには『感情』に身を任すだけではなく過去を『冷静』に見ないといけないではないでしょうか。

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 今日は皇紀2600年の年号入りの盃を紹介します。

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 『皇紀二千六百年 満洲建設勤労奉仕記念 祝 富山隊』の文字がある盃です。見込には日本と満州国の国旗が描かれます。『富山隊』とあることから富山県で組織された方々が無事帰還したことを祝って配布したものなのでしょう。

 満洲建設勤労奉仕隊についてはあまり研究がされていないということや戦中戦後の混乱から資料の散逸などもあるかと思いますがはっきりとしたことがわかっていないというのが現状のようです。2-3か月の現地奉仕作業ののち帰国したようです。

 興亜学生勤労報国隊満洲建設勤労奉仕隊農業学校隊報告書(国立国会図書館デジタルコレクションより)

 「満州建設勤労奉仕隊」に関する基礎的考察 白取道博(北海道大學教育學部紀要 2000-03)

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 側面は『赤・白・青』の輪線がぐるりとまわしてあります。満州国国旗の色を使用したようです。岐阜の盃と比べると立ち上がり深く造られています。

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 高台内には『九谷』の赤絵銘が付けられています。『九谷』銘はゴム印のものと手書きのものがあります。産地でつけ方が違っていた可能性がありますがこちらもはっきりしたところはわかりません。
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by richouken04 | 2015-08-10 19:11 | 戦前参考品
 年2回の骨董界の最大級催事、骨董ジャンボリーに行ってきました。今回も仕事の関係上、2日目に伺いました。それでも人出はそこそこ多いのではないかと思います。

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 骨董ジャンボリーポスター

 悪名高き現政権でありますが経済という点では今のところ上向いているようで、以前は見られなかったビニール袋を手にしたお客さんが増えた増えたように見えました。また、大型家具や商品が売れていたのも今まで見られなかった光景でしたな。

 中国・台湾人の爆買いは初日に去ったのか、直近の経済失速にくじかれたのかわかりませんがそちらのお客さんはあまり見かけません。しかし、大震災以来、姿を消していた欧米人は戻ってきた感じです。でも、骨董屋の商品ラインナップはまだまだ煎茶具や鉄瓶が主流でそちら頼みであることがくっきりとしています。

 とはいえ、新しい潮流やもともとの骨董道を進む店などもあり楽しいです。

 自分の胆力・財力の無さに悲しくなるなぁ・・・次回こそ!!

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 とあるブースの前。ファンの方々でがっちりとガードされてますが、一部マナー違反と思われる方も・・・

 あんたもアウトでは?!

 『安心してください、写ってませんよ!』

 さて、今回の収穫はコレクター放出品を販売されていたSさんのところで前回購入できなかった物を落穂拾い。ほかに『某高級ホテルが特注で造らせたもの』と店主が語る1000円のクリーマーなど購入。

 こっち系はしょぼいですな。そういう点では週末の骨董市などが有力かも。でも今夏は日程が悪いのでそちらは無し。別を回りました。

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 午後5時近く、この日は東京湾大華火祭開催と重なっていたため大混雑。

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 新橋駅前のゆりかもめ入口は人、人、人・・・

 こんだけの人混みとなると酔っぱらってしまう。

 『ウエっ』
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by richouken04 | 2015-08-10 13:26 | 骨董市と骨董屋

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


by richouken04